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マリアベル戦記 第十三話 ドSメイド

   2016年7月8日  

アオイと一線を越えてしまったリディアは、少しずつ気持ちを打ち明けていき……

 

 翌朝。
 俺は約束通りリディアと一緒に朝まで眠ったのだが……
「うぅ~……」
「………………」
 シーツで身体を隠したリディアが恨めしそうに俺を睨んでいる。
「うぅ~……」
「………………」
 怒っている。
 というよりは恨んでいる。
 恨みがましそうに見られている。
「どうしたんだ? ちゃんと朝まで一緒に眠っただろ?」
 などとすっとぼけたことを言ってみる。
「体中が痛いです」
「そうか。まあ初めての時はそんなものだ」
「………………」
 キッと俺を睨むリディア。
 気楽な受け答えが気に入らないらしい。
 しかし他に答えようがない。
 抱く前からなんとなく気づいてはいたが、やはりリディアは初めてだった。
 初めてじゃなかったら少し傷ついていたからこれは幸いと言える。
「……アオイは余裕がありましたね」
「そりゃあ、俺はそれなりにいろいろ経験しているからな」
「へえ~」
 じと~……っとした目で睨まれる。
 女性経験があると言ったのが不満のうようだ。
 しかしあれだけ余裕のある態度であれこれしてしまったのだから、今更リディアが初めてですとか言っても説得力がなさすぎる。
 基本的には来るもの拒まずだったから、一夜限りの女性経験はそれなりに豊富だ。
 手を出すかどうかも迷いまくったのはリディアが初めてだ。
 そう考えると俺にとって真面目な恋愛はリディアが初めてということになるな。
 ……まあそんなことを言ってもリディアの怒りが収まるとは思えないけど。
「なんだ? 妬いてるのか?」
「別に。妬いてません」
「素直じゃないなぁ」
「きゃあああっ!」
 シーツの下からリディアの胸に遠慮無く触れるとそのまま押し返された。
 実に初々しい反応だ。
「な、何するんですかあっ!」
「何って……今更だろ。一晩たっぷり堪能した後なのに」
「~~~っ!!」
 ぽかぽかと殴ってくるリディア。
 そうすることで身体を隠しているシーツが下がってしまい、身体が丸見えになっている。
「見えてるぞ~」
「っ!!」
 そう指摘すると、リディアは慌ててシーツで身体を隠した。
「まあこれに懲りたら軽々しく男を誘ったりはしないことだな」
「べ、別に軽々しく誘ったつもりなんて……」
「へえ。なら本気?」
「………………」
「答えろよ。本気?」
「……酔っていたので何とも言えません」
 うつむきながらそんなことを言うリディア。
「ふうん。なら俺も答える必要はないな」
「………………」
「なんで睨むんだよ」
「なんとなくです」
「ふうん。リディアが答えてくれたら俺も正直に答えるつもりだったんだけどな。でも素直じゃないからお預けだ」
「~~~っ!」
 俺は起き上がってからテーブルへと向かう。
 半裸なのでいまいちしまらないが、しかし今のタイミングでやっておきたいことがあったのだ。

 

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