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ファンタジー

DISCORD BRAKERS [ 11 ]

   2015年12月21日  

もう一人の自分は「イケメン騎士」で「魔法剣士」で「ハチミツ愛好家」!?

───イケメン騎士とその仲間たちと共に、音律魔法で「調律」された世界から飛び出した、三つの宝玉を回収せよ!
 

割とイケメン、更に最強。でも救いようのないハチミツ愛好家…な能天気なキラのペースに引きずられつつ、異次元世界「ルーン王国」から流星となって表れた三つの宝玉を探すため、藤崎奏は「もう一人の自分」こと、キラ=ウォルダーと共に宝玉回収に動き出す。

 

 夜の帳が降り、天空高くまで聳え立つその電波塔は、昼間とは装いを変え、鮮やかな灯りに彩られるようにしてその存在を闇夜に映し出していた。
 空に瞬く星を飾りにし紺碧の夜空を貫くが如く聳え立つその姿は、まるで輝く光の梯子を空の向こう側まで渡しているかのように錯覚する。
 しかし、古のバベルの塔がそうであったように、神の領域まで到達しようとする人類には罰が下るもの。
 偶然か必然かは分からないが、世界で二番目の高さを誇るというこの電波塔も、その頂上部分近くでは昼夜構わず強風が吹き、そこで作業をする者を拒絶するかのようであった。
 

 ……そんな電波塔の下、上空への玄関口となるエレベーターホールに奏とキラは立っている。
 時刻は、午後八時四十五分。
 午後九時にここの営業が終り照明も落ちる為、現在は観光客の外への誘導がスタッフによって行われている。
 BGMには「蛍の光」。
 このエレベーターホールにも、展望室から降りてくる観光客がその曲に導かれ次から次へとエレベーターで運ばれてくる。
 

 奏とキラは、そんなエレベーターホールの端、大きな柱の陰に二人で立っていた。
 きっと知らない人から見れば、「一緒に来た友人とはぐれてしまって、降りてくる人たちの中から探している」ような二人組に見えるだろうが、実の所、そんなのんびりとした理由でそこにいるわけではない。

 

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