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ファンタジー

DISCORD BRAKERS [ 8 ]

   2015年11月25日  

もう一人の自分は「イケメン騎士」で「魔法剣士」で「ハチミツ愛好家」!?

───イケメン騎士とその仲間たちと共に、音律魔法で「調律」された世界から飛び出した、三つの宝玉を回収せよ!
 

割とイケメン、更に最強。でも救いようのないハチミツ愛好家…な能天気なキラのペースに引きずられつつ、異次元世界「ルーン王国」から流星となって表れた三つの宝玉を探すため、藤崎奏は「もう一人の自分」こと、キラ=ウォルダーと共に宝玉回収に動き出す。

 

 一方。時間は少し遡り、ルーン暦二千十五年六月十二日。いや、こちらの国では「スベラニア暦」というべきか。
 

「申し上げます!」
 依然として戦火が続く中、ルーン王国……ではなく、今回の戦の相手国であるスベラニア王国国王玉座前に、一人の騎士が駆け込んできた。
 戦闘を抜け出してきたのか、所々負傷はしているものの、こと報告を行なうには問題無い風体である。

「何事だ、騒々しい! 国王陛下の御前であるぞ!」
 その兵士に対し国王陛下側近が厳しく諌めるも、兵士は躊躇することなく大きな声で叫んだ。

「敵国、例の宝玉回収のために異次元に使者を送り込んだ模様! しかもその使者が、あのキラ=ウォルダーとのことです!」

 その兵士の報告に、その場に居た全員がどよめいた。

 スベラニア王国としては、ルーン王国の力の源である聖琴・リラを守る三つの宝玉が失われたことで相手国の士気が下がる今、攻め込むのに注力をしていた。しかもその宝玉は異次元の世界に飛び散ったという情報もある。安易に回収できないことを考えると、戦機はスベラニア王国にあると誰もが考えていたのだ。ところが、その失われた宝玉を取り戻しに向かったものがいるということ、しかもそれが……

「キラ=ウォルダーか……これはこちらも手立てを考えねばなるまいな、ステラよ」

 報告に現れた兵士を下がらせ、スベラニア王国国王であるヒューゴは、隣に座している己の后・ステラに話しかけた。

 ヒューゴ=ファルティナローガ=スベラニア。
 その剣の腕は知らぬものは居ないとされるほど優秀な騎士であったヒューゴは、元々、スベラニア王国を治めていた王族の血を引くものではなかった。そう彼は、その剣と実力で、二十年ほど前に元々のスベラニア王国王族よりその地位やすべてを奪い取ったという、異質な経歴の持ち主である。

 スベラニア王国の民は、元々戦を好む国質ではあった。だが、王位までもがその戦の対象となったということで、このヒューゴ率いるスベラニア王国は、王位継承は其の血族が常とされる近隣の国々からも、倦厭されるようになった。

 そんなヒューゴの隣には、ヒューゴとは少なくとも十は年が離れているであろう、美しい女性が座していた。
 彼女の名は、ステラ。年の頃は二十歳前後、いや本当はもう少し年上であろうか。
 顔立ちと同様の美しく長い髪を背中まで真っ直ぐに下ろし、柔らかそうな白い肌は張りと艶を感じさせる。美しさと、年齢を感じさせない顔立ちがより、彼女の魅力を引き立てている。

 だが、その美しい顔は憂いを帯びている表情のせいで、翳りを見せていた。
 無論彼女の表情が憂いを帯びているのは、この国の行く末を思っての事ではない。
 冷酷非道且つ目的の為なら手段を択ばない相手にターゲットとされつつある、他国の名ある騎士を思ってである。
 

 

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