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ファンタジー

DISCORD BRAKERS [ 3 ]

   2015年11月6日  

もう一人の自分は「イケメン騎士」で「魔法剣士」で「ハチミツ愛好家」!?

───イケメン騎士とその仲間たちと共に、音律魔法で「調律」された世界から飛び出した、三つの宝玉を回収せよ!
 

割とイケメン、更に最強。でも救いようのないハチミツ愛好家…な能天気なキラのペースに引きずられつつ、異次元世界「ルーン王国」から流星となって表れた三つの宝玉を探すため、藤崎奏は「もう一人の自分」こと、キラ=ウォルダーと共に宝玉回収に動き出す。

 

「これ……!」
 ここまでは、キラの話を聞いているようで聞いていない、いやもう話半分どころか八割は聞き流していた奏であったが、例の流星の話が出てきたことで、意識のパラメーターが一気にキラに傾いた。

「ねえ! あの流星がどうしたの!? あれって、キラ達と何か関係があるの!? あれは一体……っげほっげほっ……がっ……」

 久しぶりに胸がドキドキして居てもたってもいられない出来事。
 世界中の科学者が解明できずにいる、あの出来事。
 全ての理由を解明出来る真実が思いもかけず目の前に……! そう思ったら気持ちが先走り噎せてしまう奏であった。
 そんな奏に呆れた表情をしながらも、キラは続けた。

「あれは、流星ではない。あれは我らが聖琴・リラについていた宝玉だ。リラから飛び出したと同時に、何らかの要因で次元を超え、こちらに迷い込んでしまったと思われるが……」

ただ、

「……。あなた達の世界で壊れたものがどうしてこちらに? それにそんな簡単に、次元を超えて来れるものなの?」

 キラが言うことが本当だとしても、そんなに簡単に次元を超えて何かが飛んでくるなんてあるのだろうか?
 だいたいそんなことが可能なら、今までお互いの世界を多くのものが行き来していてもおかしくないと思うけれど……奏は、ふとそんなことを思う。
 勿論それはキラも思っていたようで、

「……確かに、それは私も思ったのだ。故意に異次元への扉を開かない限り、お前が言うとおり、このように次元を超えて何かが行き来してしまうことなど、普通はあり得ない。私がこちらにやって来た時の様にな」
 と、素直に答えた。奏もそれに頷く。

「ねえ、貴方はどうやって異次元への扉を開けたの?」
「私は……その、我が近衛兵団長のアロン様が私の身体を適度な力で魔法の鏡の表面に向かって押し出して下さったので、私は抵抗するまもなく鏡の中へと……」
「……つまり、そのアロンさんて人に、魔法の鏡の中に突き飛ばされて追いやられた、と」
「導かれた、のだ。物は言い様だ」

 キラは「んんっ」と咳払いをすると、

「お前達がこちらの世界のみで通常は一生を終えるように、我らも大半はそうなのだ。だから……詳細は調査中とアロン様はおっしゃっていたが、我が国とスベラニア王国との激しい戦いのエネルギーが次元の歪みを偶然起こし、そこに飛び散った宝玉達が引き寄せられ、こちらに迷い込んだのではないか、とは予測をしている」
 と、事実と推測を半々に交えたような形で、奏にそう説明をした。それに対し、

「ふーん……」
 奏はあやふやな相槌を打っていた。
 
 

 

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