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コメディ ラブストーリー

厨二病的名前だけれど青春は謳歌したい!-1

   

初対面の人にほぼ百パーセント自分の名前を正しく読んでもらえない、いわゆるきらきらネーム、いや寧ろ「厨二病」的名前のせいで青春を謳歌できない「晴」。そんな彼女が大学入学を機に気持ち新たにいるところ、不思議なサークルを見つける。

「君、合格!」
出会った瞬間手を握ってくる怪しい先輩・コウスケに、まるで女神のような美しい先輩・雪。

彼らが所属する「謳歌会」ってどんなサークル? そして、晴は念願の青春を謳歌することができるのか?!

 

 「名は体をあらわす」とは、よく言ったものである。
 だが、自分の名前と実態があまりにも差がありすぎて、日常生活に支障をきたすというのはいかがなものなのだろう?
 そう、もはや名前をつけた両親というよりも、寧ろその姓を名乗り始めたご先祖を恨むより他ないという少女が一人、ここにいる。
 

 彼女の名前は、「八月一日晴」。
 恐らく、百人中一割、いや読めて二割程度しか、彼女の名前を予備知識なしで読むことが出来る人間は居ないのではないだろうか。

 彼女の名前は、ほづみはれ。

 声に出して呼んでみると「割と普通」という印象を受けるが、漢字で書けば一歩間違えば所謂キラキラネーム、いや厨二病臭を感じるネームの仲間入りである。
 ちなみに彼女の家族はというと、何故か苗字+名前の最強タッグを保持しているものはおらず、父が「貞臣」母が「麻里子」と苗字は変わっていても特に無駄に人にインパクトを与えるに至らない名前であった。
 一体何を思ってこの名をつけたのだろう。納得させるか感動させるか、原稿用紙一枚以内で説明せよと言ってやりたいところではあるが、まあ字面はこの際どうでもいい。
 そう問題は、名づけられた彼女「内面」である。
 

 まず、「八月一日」と苗字にあるが、彼女の誕生日は二月。生まれたのは夏も程多い真冬である。
 名前も「晴」ではあるが、実際のところ徹底的な「雨女」である。運動会、遠足、卒業式に入学式・・・・・・イベントごとで晴れた試しがない。
 しかも大抵、「ホヅミさんが居るから明日の体育祭は晴れね!」というクラスメートの期待を全力で裏切った挙句、別にこちらからは何も言っていないのに、やれ「期待はずれだ」のなんだの、陰で言われるのがオチという。

 理不尽極まりない人生である。

 名前のインパクトのおかげで、彼女自体はごく普通の、どこにでも居る少女だというのにであった瞬間に強烈なインパクトを与える事も多く、大体は名前の印象が強すぎて、顔を覚えてもらえない。
 気になる人が出来たとしても、名前だけをいじり倒されて、中身までは見てもらえないのだ。

 そう、いわゆる同年代の少女達が送る「青春」とやらを謳歌できない状況であることは否めないのである。

 厨二病ネームだろうが何だろうが、一度でいいから青春を謳歌したい・・・・・・!

 その願い、壮大なのか何なのか。しかし、彼女にとってはそれが大いなる望み、大いなる野望なのである。

 

-コメディ, ラブストーリー


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