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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season15-9

   

 逃走した野村には、いくつもの大罪が重なっていった。

 だが、もうそのことを自覚しているせいで、滑稽で情けない男として世間は認めていたが、追い詰められたねずみほど怖いものはない。

 探偵たちは野村の最終的な目的がなにかを推理しはじめた。

 菊川にも逃走することを手伝うだけをつたえていた。途中のルートまで話すもその行先は不明のままだった。

 雲田からメールが届いた。

 野村と多部の娘の交際疑惑が報道された。こんなの報道する意味がなにがあるというのか。だが、よくつかんだな、と雲田は記者たちを称賛していた。

 探偵三人の思考は新情報とともに頭の中で情報整理した。するとそれぞれの能力でひらめきはじめた。

 野村の暴走車は一般人を危険にさらしていた。目的のために一点しか見えていない。

 裏切られたという気持ちが強く、その人物を殺すために走らせていた。

 恩師である多部一家を惨殺にむかうつもりだった。

 野村はこれまでのいきさつを思い返す。なぜ自分が議員になれたか、そして恋人の真宮との出会い。

 タイミングの悪さが野村を追い詰めていった。真宮を殺さなければならない愚かな判断は、議員になったことからはじまっていた。

 

 逃走した野村には、いくつもの大罪が重なっていった。

 だが、もうそのことを自覚しているせいで、滑稽で情けない男として世間は認めていたが、追い詰められたねずみほど怖いものはない。

 探偵たちは野村の最終的な目的がなにかを推理しはじめた。

 菊川にも逃走することを手伝うだけをつたえていた。途中のルートまで話すもその行先は不明のままだった。

 雲田からメールが届いた。

 野村と多部の娘の交際疑惑が報道された。こんなの報道する意味がなにがあるというのか。だが、よくつかんだな、と雲田は記者たちを称賛していた。

 探偵三人の思考は新情報とともに頭の中で情報整理した。するとそれぞれの能力でひらめきはじめた。
 
 

 野村の暴走車は一般人を危険にさらしていた。目的のために一点しか見えていない。

 裏切られたという気持ちが強く、その人物を殺すために走らせていた。

 恩師である多部一家を惨殺にむかうつもりだった。

 野村はこれまでのいきさつを思い返す。なぜ自分が議員になれたか、そして恋人の真宮との出会い。

 タイミングの悪さが野村を追い詰めていった。真宮を殺さなければならない愚かな判断は、議員になったことからはじまっていた。
本文
 野村はスピード違反をしまくっていた。もはや政治家でいた志は、もとよりなかったのだろう。だから暴走行為に及べるのだ。

「どこへ向かおうとしている?」土地勘がない火守が見ても見当もつかない。

 だが、運転している黒羽警部が視線をそらすわけにもいかない。

「後手になってるじゃん」川上が呆れかえっていた。

「いまどのへんですか?」御影はなにかヒントはないか思考をめぐらせていた。

「なんだ、考えるのか」火守はいった。

「考えることがおれたち、探偵のできること」

 なら、といって火守はI-padを手渡した。「直接みろよ」

 御影は目を見開いてみていた。「なにかあるはず、なにか…、こんな暴走行為して、もう後先考えていない。終わったさきには破滅。それを覚悟している。滑稽な野村がここ一番で男気のある行動をみせている。いくつもの犯罪行為に及んでいる。政務活動費の使い込み、女性の殺害、暴走行為、逃走、轢き逃げ。情けない史上最弱な犯罪者だ。それだから牙をむいたら玉砕覚悟で突っ走っている。向かうさきになにがある…」

 携帯電話にメールが届いた。雲田からだ。

 隣にいる川上が読み上げる。「おお、なるほど、マジか、こりゃすごいな」

「ひとりでたのしんでんなよ」火守がそうそうに切り込んだ。

「わかりました。えーと、大物議員の多部 準一(たべ じゅんいち 54歳)の報道があったんだと。これといって汚職でもなければ辞職でもない。ただ、野村議員の支援者だったという」

「ああ!」火守が突如と声を張り上げた。

「菊川が話していたな…」運転席で耳を傾けている黒羽警部だった。「そんなの報道してなんになる?」

 御影も耳は傾けているが、その新情報に加え、思考をめぐらせていた。

「そして、多部の娘とへなちょこ野村が交際しているんじゃないかという疑惑が報道された」川上は笑いをこらえていた。「いったい、どこでどうつかんだのか、さすが記者だ、と雲田さんは称賛している」

 が、御影たちが切羽詰まっているという状況をしらないようだ。その証拠に、文面の最後に顔文字が描かれていた。目を見開いた顔文字だ。

 御影は川上に向き直る。じっとさらに深く思考力は潜っている。

「気楽な男め」川上がいった。だが、なにかひらめいたようだ。猫目のように目を丸くさせていた。キャッツ・アイがきらめく。

 御影はずっとその目で見ていた。そしてこの情報はサプライズともいえるだけのヒントを得たようだ。証拠にプライベート・アイが光った。

 火守もまた、雲田からの助言によって足りないピースが出揃ったようだ。
 直感による組み合わせ。“証拠”をパズルのピースに見たてて嵌めていく。分析と計算から成り立つ。パズル・インシュイションが完成されていった。

“見えた”。

 三人が同時に口にした。

 運転していた黒羽警部は驚いていた。三人の探偵がシンクロした瞬間を見た。

 

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