幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ノンジャンル

エリカの花言葉 第3話ニチニチソウ《若い友情》 2

   2016年10月14日  

 夏休みに入り洋平と恵里香が弘行の家を訪れるた。そこで悪漢の父と出会うと、二人は弘行のことを不憫に思う。
 その家庭環境を目の当たりにした洋平は、小学生の時に児童養護施設へ送られた級友のことを思い出し、弘行も同じようになるのではないかと思い始めた。

 

 翌日も洋平は補修授業の為に登校していた。今日は二年生のプール授業の日だから、恵里香には会うこともなく、補修を終えた洋平が下駄箱で靴を履き替える。すると、いつも弘行を目当てに教室へ来ていた、二年生の中村浩司と白戸隆則が話し掛けてきた。
「おまえ、いつも嶋岡と一緒にいる奴だろ?嶋岡は何をしてるんだ」恫喝した口調で中村が洋平に訊く。
「さぁ……知らないですけど」洋平は質問を誤魔化すように、から返事をする。
 菅村が二、三年生に対して弘行に関わることや、一年生の教室に出入りするのを止めるように指導したので、弘行が先輩に絡まれることはなくなったが、学校の外を出れば、不良のレッテルを貼られた弘行を狙っている先輩も少なくはない。
 それは弘行を見つけ出して暴行を加えるとか、危害を及ぼす目的ではなく、大半の先輩は、自分の傘下に加えることで子分のようにするのが目的である。だが、弘行の性格でそんな話に乗るはずがない。
「家を知っているだろ?今から案内しろよ」
「いや、家なんて何処か知らないですよ」洋平は咄嗟に嘘をつく。
「嘘をつくな、おまえがいつも嶋岡と一緒に帰っているのを見ているんだぞ」
 中村と白戸がしつこく洋平に絡んでいると、「何をしてるんだ」と言いながら菅村がやってきた。
 二人は菅村に言い訳などせずに、舌打ちだけしてその場を立ち去って行く。
「何を話してたんだ」と聞く菅村の質問に対し、洋平は、「いや、ヒロはいないのかと聞かれていいただけです」と、話半ばに答えた。
 このままでは弘行が施設に入れられてしまうのではないかと思い始めてから、問題事を大人達に相談するのは抵抗がある。
 洋平も軽く頭を下げると、話を追求されることから逃げるようにして、その場を後にした。

 

-ノンジャンル
-, , , ,


コメントを残す

おすすめ作品

生克五霊獣-改-4

   2017/12/15

クリーンゲーム

   2017/12/15

アストラジルド~亡国を継ぐ者~アグランド編 第37話「二人の母」

   2017/12/14

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】22

   2017/12/14

カゲギョウ

   2017/12/13