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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season16-2

   

 都議会議員の大池氏は、都市開発の責任者としてある設計図どおりの作業ミスにより盛土をしなかったために追究されていた。

 東京駅前で演説をしているのは浅野会の浅野教祖。

 そこへ大池は自身の歩むべき道を決めてもらうためか訪れていた。

 氷室たちも車の中からその光景を見つめていた。あれこれと詮索するなかで、大地も信者候補か野次馬と同じように浅野の言葉に耳を貸していた。

 心弱き者には、すがりの場に集まるものだ。まさか大地がそうなるとは探偵社の面々はいささかショックでもある。

 水桐がそんな迷走している大地を引き連れてきた。そのとき発信機を浅野の乗るワゴン車にしかけた。

 ついにアジトを発見。潜入するのは水桐と大地、ではなく大地の代わりに御影になった。

 スパイのようなことは御影にとってはお手の物。今回は評論家の命をどうやって奪ったか、ほんとうに預言を聴いただけでひとの生死が見えるのか。

 いや、ちがう。浅野は神の声を聴いたときに願った。評論家を亡き者にしてほしいと。

 だが、それを証明するすべはないし逮捕できる理由にはならない。

 打つ手なしだった。

 

 大池 重延(おおいけ しげのぶ 58歳)、都議会議員。

 都市開発の責任者になっていたが、それが設計図と異なる作業で竣工してしまい、敷地内の地下に水が溜まるという作業ミスが発覚した。

 そのため汚染水が溜まってしまったという問題が起きてしまった。ここはほんらい盛土しなければならない。このままではこの施設は開業できない。

 ショッピングモールと住居高層ビルの予定だが、そのところどころの地下箇所が設計図にはない地下空間が発見された。

 その責任追及で、浅野会の預言者に意見を求めに東京駅前で演説している教祖に直接本人が訪れた。

「まさか、こんな場面を生でみれるとはな…」火守がいった。

「ひと騒動おきやしないか、だいじょうぶかよ。信者とはいっても一般人。都議会議員なんていまでは罵倒されるためにニュースで報道されている。このままじゃここは修羅場に…」川上が懸念した。

 前方の車から氷室が口を挟む。「だが、かまわない。水桐くんたちはそのままでいてもらおう。われわれの存在が出現してもまた騒動に油を注ぐことになる」

 たしかに、と全員が同感だった。

 だが、もっとおぞましき光景を目の当たりにした。

 探偵たちはほんらい、この場の集会が終わったら調査を開始するために見張っていた。しかし、いまの光景ときたら信者候補と野次馬で100名超えのひとの群れ、浅野会のメンバーが数十名ワゴン車にあがっている教祖の浅野と四名の五大預言者の主力がいる。そこへ都議会議員の大池が現れたというのに、信者はともかく信者候補や野次馬が大池に罵声を浴びせることやブーイングがあってもいいというのに、ここは負の波動で満ちていていいはずが、なにも起きなかった。

 それどころか迎え入れている。ワゴン車にあがる大池議員。

 浅野は彼に向けてなにかを告げているようだ。

 それは浅野を崇拝するように、鏡映しのようにして大池のことも同格と見えるようもはや洗脳に近い光景が広がっていた。

 その証拠に水桐と大地まで頷きながら拍手していた。

 開いた口がふさがらない。

 

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