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三流先生、作家になる!3RD 第七話 三流先生、宣告される!(上)

   

事態は急転。三流先生が出版規制に遭ってしまった。
しかも、「どこかの一流」には、心当たりが……。
先生が仲間たちを集めて会議していたとき、あの男がテレビで宣戦布告をしていた!

 

 事が急展開を迎えたので、三流先生は仲間たちを集めてサード・メイデンで会議をすることにした。本日は、『どこぞの『一流』が三流出版社を潰し回っているらしい、アホウドリノベルスも規制に遭った』という事実を知った日のその翌日である。

「皆さんに本日、お集まり頂いたのも他ではありません。どこぞの一流的な人物が三流出版社を攻撃して回っているようで、次々と出版社が規制に遭っています。しかもやり口がなかなか姑息で、権力とか金とかを使って、広告業者や流通業者を潰して、本が市場に出回らないようにしているようです。中には倒産してしまった出版社もあったそうです。僕もそれにやられた口で、近日中に出版予定だった『三流お嬢様の愛すべきニーソ』が発売中止(発売延期未定)になりました。これは、大変、由々しき事態です……」

 三流先生は、三流仲間たちの前で、事の成り行きに主観を交えず、滔滔とうとうと事実関係を述べることに努めた。

 会議はサード・メイデンの個室(密室)で行われている。
 参加者は、三流先生を抜かせば、熱木先輩、下川、犬山、宇陀(=不夜城)、アリサ、萌花である。

 なお、三竹所長など目上の方々の耳に届く前に、一度、各自が冷静になる必要があるだろうと三流先生は判断した。なので、大先生レベルの目上たちを呼ぶのは控えた。また、今回の問題は紙の出版業界絡みであるが、アホウドリノベルスの人々は知り合ってまだ日が浅いので、この密室の仲間だけの場に呼ぶべきか判断に迷った。三流先生は、これまた呼び控えをした。他にも、ポンコツソフトの方も呼ぶか呼ばないか迷ったが、さすがにゲーム業界まで巻き込んでは申し訳なく思った。そういうわけで、ここも呼び控えた。(不夜城はかねてからの友人であるし、萌花は彼女なので特別だ)

 さあ、会議が始まり、まずは熱木先輩が勢いよく挙手した。

「おう、三流先生、ここまでの状況説明をありがとう! ま、その『一流的な人物』だが、心当たりがない方が逆におかしいと言えるぐらい、明らかだな? 犯人の黒幕は、言わずと知れた一流先生こと、一条市太郎で決まりだろう。だが、問題は、なんでまた、一流先生が三流の出版社を狙って潰しているか、だな?」

 今度は、下川が首をひねりながら挙手した。

「一流先生ですが……。以前に、エロゲーの規制キャンペーンをやっていたことを覚えているでしょうか? 神奈川県のとある市長選で、二ノ宮候補という人物を持ち上げて、彼を市長に推薦するとかどうとか、選挙キャンペーンをやっていたときのことです。この日の集会に、実は私や犬山君なんかも参加していて、偶然にも三流先生とも遭遇し、みんなで反エロゲーキャンペーンを潰したことがありました。おそらく、今回の事件も似たような思惑が働いていることでしょう。一流先生は三流文化や三流人間が大嫌いです。それも潔癖なぐらいに。法で取り締まり処罰するとか、収容所を造るとか、過激発言ばかりしていますしね。たぶん、今回もそのアンチキャンペーンの一環と見て、間違いないでしょう……」

 続いて、犬山が、吠えたそうな顔で挙手した。

「うおん、そうだな。下川は正しいよ。一流先生のことだから、三流文化を生産している出版社を潰して、正常化を図るとか、アホなこと考えているんだろうな。きっと、そうに違いない、今回も三流潰しだ。なあ、みんな、その潰された三流の出版社に共通点とかないか? こういうのはミステリだと、被害者に思いもよらぬ共通点があって、犯行に意外性があっても、実は単純な動機で動いていたりするんだな。このまえ読んだ官能ミステリの受け売りだが……」

 念のため、と宇陀がおそるおそる手を挙げた。

「ええとな、ゲーム業界は、今回、関係ねえ、ということでいいな? 俺はゲーム業界の事情は詳しいが、今回の事件に関しては、どこからも何も聞いてねえ。被害に遭ったのは、すべて出版社のみだな? 脱線してすまん、ううん、共通点ねえ……。アホウドリノベルスはゲームのノベライズも出していたけれど、他は……すまん、わからん」

 

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