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美少女ゲーム考察小説集 第8話「抜きゲーVSシナリオゲー」

   

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 殺風景な我が社の会議室。
 部屋内の看板には、抜きゲーVSシナリオゲーというタイトルが掲げられています。
 赤コーナーには、抜きゲー代表抜田先生。
 青コーナーには、シナリオゲー代表品川先生。
 審判はこの私、美作です。
 しかも、動画サイトと中継していますので、この対談は「うはうは動画」に流れます。
 両コーナー、にらみ合い、構えて、さあ、はっきょいのこった!!

美作「本日はお忙しい中、抜きゲーとシナリオゲーの対談にお集まり頂きありがとうございます! さあ、熱くなる対談が予想されます! 本日は司会兼審判を務めさせて頂きます、美作です。よろしくお願いします! 先生方、軽く自己紹介も含めて、一言お願いします!」
(以下、美作をMと略す)

抜田先生「うへへ、よろしく! 抜きゲー創ってこの道二十年、抜田作雄(ぬきた・さくお)ですー! 美作君と言うたかい? 今日は頼むわ! 品川君もまあ、そんな怖い顔せんといて、よろしくな! 最新作は、『JKうほうほエッチ』やで! ごっつ抜けるんで、よろしくな!」
(以下、抜田先生をNと略す)

品川先生「美作さん、今日はこちらこそよろしくお願いします。抜田君もよろしく。まあ、商売敵だけれど、ぶん殴ったりするつもりはないので、そちらこそあまり気張らないでおいてください。私は、品川拓雄(しながわ・たくお)と申します。シナリオゲー一筋創って、もはや二十年でしょうか? 今後もシナリオゲーのみ創っていくつもりです。私の最新作は、『失われた青春を求めて』です。泣けるので、どうぞよろしく!」
(以下、品川先生をSと略す)

M「さて、自己紹介の時点で両陣営、温度差が開けてきましたね? 今回は対談ということですので、さっそく、質問を振ってみたいと思います。現在、エロゲ業界の主流として売れるのはどっち!?」

N「んなアホな質問! 抜きゲーに決まっておるやん? そもそも、主流とか流行とか関係なしに、昔から売れるのは抜きゲーと相場が決まっておるで。要は、わいら、ポルノ屋っつーことやん? 抜けることがすべてだし、そうやってわいら、売ってきたぞ!」

S「美作さんの言う『現在、エロゲ業界の主流で売れるのはどちらか?』という質問に正直に答えれば、『現在』の時点では、抜きゲーに軍配が上がるのはやむを得ないでしょう。ご存知のとおり、かつてシナリオゲーが旺盛を誇っていた1990年代から2000年代前半をピークとして、以後、シナリオゲーはおろか、エロゲーそのものが売れない氷河期に突入しました。時代は、恋愛や家族の物語よりも、いかに効率的に抜けるか、という物語をないがしろにした作風が受けてしまっているのです……」

M「なるほど。抜田先生がおっしゃるように、エロゲーはポルノなんだ、抜けることがすべてなんだ、と割り切ってしまえば、確かにシナリオゲーと売り上げを比較するのはナンセンスかもしれませんね。しかしその考え方だと、ゲームを売っていると言うよりは、ポルノ雑誌やアダルトビデオを売っている感覚に近いのではないでしょうか? 一方、品川先生がおっしゃることも理解できます。実は、当企画の第3話で、エロ芸評論家のエロゲンカク先生も同じことを述べていました。第1話で登場された童貞不敗先生がシナリオを担当された『リトル・バスタード』のような泣きゲーは、もはや時代と共に廃れてしまったのでしょう。エロゲンカク先生も言うように、シナリオゲーの退廃と抜きゲーのみが生き残る現代社会というのは、人々が異性と向き合いわかりあうことよりも、自己満足の世界に逃げた時代なのかもしれません……」

 

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