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BLマンガを、抱きしめた。

   

みんな持ってる、オタクな部分。
私はOL、そして腐女子。
拙い生き方だけど、それで良かった。
でも最近、腐女子としても生活としても落ち着いてきた私に問題が…?
何かに夢中になり続けてきたヒトが初めて出会う、サヨナラの物語。
とっても読みやすい読みきり作品です★
ちなみに、違う目で再読すると『そこでBLかよ?』と突っ込みたくなる主人公の挙動…この二重の面白さを御堪能いただけましたら幸いです。【作者談】

 

「お前は、またそんなマンガ買って…。」
仕事帰り買ってきた古本コミックを観た彼氏になじられる。
「ごめん~。だって、持ってないやつだったんだもん…。」
私は謝りなれてるので、呆れられても大してダメージは無い。
新しく買ったBLコミックに少し顔を隠し、私はごまかし笑いをした。
付き合って5年。
私の彼氏はオタクじゃない。
ちなみに、私はオタクだ。

現在の若い人達と違うかもしれないが、私の世代では充分オタッキーな自覚がある…恥ずかしい事に。
中学生時はスラ○ンと幽○に燃え、まだ商業出版の何とやらもわかっていないのに同人誌を書いていた事から始まり、放映していないアニメやオリジナルビデオをレンタルしまくり、思春期の羞恥心と戦いながらマンガやイラストを描いた。
今は、小さなゲーム会社でテレアポをしている。
忙しいがやはりこの業種、ところどころ職場のあちこちに同士がいて、いい歳こいても趣味のマンガやアニメの話に事欠かない。
それがあって、なかなかイキイキと生活しているのであった。
オタクな趣味は、生活の癒しになる。これは、少しでもディープな趣味を持つ人なら御理解していただけるだろう。

しかし彼は違った。
良い大学を出、趣味は耳障りが良い範囲内のモノか、若気のうちにコッソリ終わらせる様な超個人的なモノのみ。誰かとわかち合う事はどうでも良いみたい。
でも、それも1つの正解みたい。
知り合ってこの方、彼の出世街道は、今のところ順調である。
「お前なぁ……。まぁ、いいか。」
彼は私にただいま、と言ってそっと私を抱きしめる。
お互い社会人になって、ほぼ通い同棲状態な日々が何年も続くけど、私は家事も何もしない。

「どうして別れないんだろう…?」
自慢ではない。不思議に思う事があるのだ。
私はもう四捨五入しなくとも、小学生や10代の少年少女から見れば立派なオバサンと言える歳である。うぅ。
なのに、現実にすがりつくのがやっとで、やっている事と言えば仕事だけである。
同世代の子は、もう子供を産んだり、育てたり…何かで成功したり、外国籍を取ったり、家のローンを組み出す人だっているのだ!
私は何もしていない。毎月自動的に年金を払い、最低限の衣食住を、自分の分だけこなしている。貯金だってほとんど無いに等しい。
こんな私である。
年齢的にも、他の男はもう、なかなか寄ってこなくなった。
こんな私を、なぜ?
別れたい訳じゃない。でも、私は、多くのオタクにも心当たりがあるかもしれないが、愛情を欲しがるくせに愛情をくれる人を警戒してしまうという可愛げが無い部分がある。

 

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