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ノンジャンル

ご主人様とアフタヌーン・ティー

   

五井家といえばかつてはそれなりのお金持ちで名の知れた名家と言ってもいい存在だったが、今はもうその頃の面影もなく、その日の暮らしも危ういくらいの没落日々
その血筋の主人公は、今の暮らしも悪くはないと思っているが、代々、五井家に仕えてきた執事の子孫はそうではなかった
主人公と同世代のその子孫は、五井家復活を望み、主人公への態度はあくまでも執事的かつ主従関係を貫いている
そんなふたりの目指す未来は決して交わることがないのだが…

 

 
 あれは6月の雨が降った日だった。
 梅雨の季節だから当然といえば当然だけど、何もこんな日にそんなに雨が降らなくてもいいじゃないか。
 降り注ぐ雨の中、傘も持たず両手に持てるだけの荷物を持って、俺たちは住み慣れた家を手放した。
 あれから1年、俺はたくましく生きています。
 ――というより、それほどショックでもないんだな、これが。
 なんていうか、来る時が来たか……みたいな。
 

 

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