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コドモが寝た後で××× 第4章 病から始まる

   

隣のダメパパが倒れてしまう
娘の雛菊ちゃん助けを求められて、求められるままに対応していたら…
そんなオチ、よくよく考えれば想像がつくというものだ

 

 4月下旬、ゴールデンウィーク突入初日の朝、携帯電話が激しく鳴り響いて飛び起きる。
「はい、春日です」
 寝ぼける隙ない程しっかりと目が覚めたのには理由がある。
 着信者の名前――夏川支店長
 なぜこの人の電話番号が登録済みかと言うと、何かあった時の為にという面目で登録させられたのだけれど、今にして思えば何かあるもなにも、同じシフトで入っていてそれはないだろうと、普通思う。
『寝ていたのか? 起こして悪かったな』
 言われて時計を見れば、普通は起きていてもおかしくない時間。
「いえ、別に。単に寝過ごしているだけです」
『そうか、それならいい。特別給料払うから、今から出て来られないか?』
「今からって、店にですか?」
『そうだが、そうは聞こえなかったかな?』
「いえ、聞こえました。しかし、子供が――」
『託児所があると以前説明しただろう。そこを使え。では、待っている。出来るだけ早く来てくれ』
 行くとはひと言も言っていない。
 それなのに、既に行くことにされてしまっている。
 相変わらず強引な人だ。
 だが、正直臨時収入は嬉しい。
 今日一日、海老蔵には我慢してもらおう。
 ――なんて考えは甘かった。
 店に着くなり、しっかりゴールデンウィーク前半、シフトに入れられていた。
 更に過熱している女の戦いを間近で見させられる羽目に。
 オレは関係ない、巻き込むな。

 

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