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ミステリー・SF・ホラー

呼んでいる

   

 
『伊勢さん?』
電話口から聞こえる、遠慮がちなトーンで話す関根友美に私は久しぶりと声をかける。
唯香と違い、友美は私や唯香の後ろを遠慮がちに付いてくるような少し控え目な子だった。
それは今も変わらないみたい、電話口から聞こえる話し方から伝わってくる。
唯香や私は名前で呼ぶのに対し、友美は中学を卒業するまで、小松さん、伊勢さんと名字で呼び続けていた。
「本当にあの場所に唯香といるんだね。どういう心境? あの時は最後の最後まで反対していたのに、今回は友美から誘うなんて」
『そんなに私から誘うのは不思議?』
「ううん、そういう意味じゃないの。ただほら、場所が場所じゃない。だって友美ったらあの時、怖がって私と唯香の後ろに隠れながら行ったし」
唯香の話を聞いているうちに、その時の記憶がくっきりはっきりと思いだされた私は、そう口にした。
3人それぞれ違う性格をしていたのに、妙に居心地がよかったのかどこに行くにも何をするにも一緒だったことも鮮明に思いだし、懐かしさがこみあげて来る。

中学生活最後の夏休み。
受験を控え夏期講習と自宅の往復で終わってしまうのが嫌。
当時とても話題になっていた心霊スポットに行こうと言い出したのは私。
即答で同意してくれたのが唯香、友美は最初から最後まで反対していたっけ。

 

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