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ミステリー・SF・ホラー

呼んでいる

   

 

◆◇◆◇◆

 
そんな思い出話をしていて私はふと思い出す。
あの時、振り返った私の視界の中に唯香っていたっけ?
その流れで私は友美に聞いてみた。
「ねぇ、そういえば唯香は? あの時、唯香ってどうしていたんだっけ?」
『小松さんなら、ひとりでいっちゃたわよ……』
「ああ……やっぱり。相変わらず考えるより先に行動しちゃうんだ。友美は平気?」
私はあの時も今も、私たちを残し先に奥へと進んで行ったのだと受け止め、人一倍怖がりの友美を気遣った。
『平気。だって伊勢さんが傍にいるから。伊勢さんだけは私をひとりにしないでしょう?』
「もちろんよ。だって私たち友達じゃない。何をするにも一緒だったでしょう?」
『そう……だよね。伊勢さんはいつも私の傍にいてくれたもんね』
「うん、そうだよ。私から電話切ったり絶対にしないから。だから安心して。私を信じて」
あの時も、振り返った私の視界の中に唯香はいなかった。
友美はひとり恐怖に怯えながら、私とそう離れていない、暗くても肉眼でなんとか人の気配を感じ取れるところに立ち尽くしている。
そんな友美に私が歩み寄ろうと、公衆電話に背を向けた時――

 

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