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SとMの理 前編

   

私はメイドでお屋敷の中でも学校でもおぼっちゃまのお世話係をさせて頂いている。
だけれど私にはおぼっちゃまも知らない裏の顔があって…

 

Ⅰ 表と裏

 
 
 
 
 私の朝はある男の俺様な態度から始まる。
 屋敷中に響く叫び声、そんなに怒鳴らなくたって聞こえてるって……
 朝5時半起床、とりあえず仕事着に着替えて自分の食事を済ませ、時刻は6時半。
 ヤツの朝食用意して時刻は7時、時計の時報並に正確な叫び声が響き渡った。

「遅い、紗英!」
「お言葉ですが、ぼっちゃま。1分以内です」
「おまえ、メイドのくせに口ごたえするのか?」
「滅相もございません。ただ、ぼっちゃまが仰った時間内でありますことを主張したまででございます」
 この男、ここのお屋敷、祖師谷家唯一の跡取り息子の祖師谷路哉(そしがや みちや)は自他共に認める俺様な男なわけなのだけれど――私しか知らない裏の顔を持っている。
 もちろん、ぼっちゃんが裏の顔を持っているのだから、私も相応の裏の顔を持っているのだけれど――

 

-恋愛

SとMの理 第1話第2話