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エリカの花言葉 第4話 アジサイ《冷酷》 3

   

 夏休みが明けてから、どこか物思わし気な様子である恵里香を心配する洋平と弘行。
 ある日、級友である裕太と亮治が、恵里香が子役時代にヒロインを努めたドラマ『紫陽花の涙』で共演していた、女優の片山美奈子と出会い、恵里香の現状を尋ねられる。
 すると、片山美奈子によって過去に恵里香の身の回りで起きた事件が週刊誌に取り上げられ、恵里香が菖蒲町に越して来た理由や、抱えていた重苦が明るみになった。

 

 九月二十二日(月)

 祭りの帰り道、林檎飴を渡しに恵里香の自宅を訪れた時のこと、裕太が片山美奈子に会った話をすると、恵里香の表情は曇り、どんよりとした雰囲気を漂わせていた。
 それは、曇り空に日差しを遮られた真昼であれども、白い雲は浮かんでいたのが、夕暮れを迎える前には灰色の雲が空を埋め尽くしていた時の様子に見える。
 あまりにも暗い表情をしているから、洋平と弘行も深入りした話は聞くことができずにいたが、片山美奈子が恵里香を探していた訳は、洋平の予想通り、良からぬことあるのが感じ取れた。
 
 土砂降りになりそうでならぬ雨雲のような恵里香の様子は、あれから一週間が過ぎても変わることなく、登校中の洋平と弘行は、自分達よりも十歩ほど前を歩く恵里香の後ろ姿を見ながら声を掛けられずにいる。
「おい、話し掛けてこいよ」
「ヒロが行けよ」
 後ろから見る恵里香の様子とは他にも、今日は異様な雰囲気を感じる。恵里香が横を通り過ぎると何やらヒソヒソ話をする生徒達の姿。
 その様子を不思議に思った二人は、恵里香との距離を縮めながら歩く。声も掛けぬまま、用心棒のように恵里香の真後ろを歩きながら学校へ着くと、校門には中村と白戸が、ニヤニヤと気色の悪い笑みを見せながら立っていた。
「よぉ、殺人犯の妹」
 白戸が話すと、恵里香は背筋が硬直するように伸びて、そのままゼンマイ仕掛けが切れたように静止した。

 

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