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なな★しき ~次元管理員 七尾と志紀子~ 第10章 引きずられる運命に

   

「俺たちがこんな目に遭わされてんのは、全部てめぇのせいなんだろ宮小路!?」
助けた生徒たちにも責められる志紀子。
きっともう「生徒」ではなくなった。戻れない道をゆく「戦士」となった。

一方で七尾は、グランバルから聞き出したもう一つの秘密を、志紀子に告げねばならなかった。

 

「みんな! ケガはない?」
 急ぎ駆け寄ると、拘束されていた全員の手錠を断ち切った。
 

 ──だが。
 

「ば……化け物!!」
「!」
「わ、私たちのことも殺す気なんでしょッ」
「いやあああっ!!」
 皆たちまち震え上がり、泣き出し、叫び始めたではないか。
「てめぇのせいだっ」
 その中で唯一、強気の男子生徒が大声を張り上げた。
「俺たちがこんな目に遭わされてんのは、全部てめぇのせいなんだろ宮小路!?」
 その勢いにつられて全員の憎悪が志紀子に向けられる。……否定など、できるわけがなかった。
「ここから出てけ!」
「そうよっ、この学校から出てってよ!」
 そうすれば。
 志紀子さえいなくなれば。
 以前の平穏で楽しい学園生活が戻ってくると──

「……平和でいいな、お前ら」

 そこへ割り込んだのは、銃を片手にした七尾だった。
「奴らが狙っているのは志紀子じゃない。この学園の土地そのものだ」
「え」
「志紀子はむしろ、敵すら想定していなかった存在。お前らの守り神だ」
「ど、どういうことだよ?」
 話の流れのままに問い──しかし。
「それは? ……本気で聞きたいと?」
 あえて向けた七尾の冷たい銃口が。
「ヒッ?」
 危険な〝先〟へと踏み込ませない。
「これ以上は言わせるな。お前らまで命を狙われるのは、志紀子の本意じゃない」
「え……」
「まぁ、命張った覚悟を理解できる──戦場の中をついてくる気があるってんなら、話してもいいけどな」
 銃を握り直した七尾の瞳は、冷たく皆を見下げ……。
「七尾くん」
 その銃口を、志紀子がそっと下ろさせると。
「──先生がた」
「はっはい?」
 生徒の中に混ざる教師たちに請う。
「校内に残っている全員、裏門から避難させてください」
「!」
「すべてが終わるまで──何者においての立ち入りも許しません」
「なっ」
 事態を把握できない者は、まだ多い。志紀子の強い口調にムッと眉をしかめる者もいる中で。
「ここは危険です。皆さんの命に関わることです。……死にたくないのなら」
「!」
 ……生徒たちよりは、多少なりとも深い人生経験による違いか。
「わかりました」
 事態の危うさを受け止めた最年長の教師が、志紀子の依頼を請け負うのだった。

 

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