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エリカの花言葉 最終話 シオン《追憶~君を忘れない》 1

   

 洋平が亡くなり弘行も警察に捕まってしまうと、恵里香も事件の悲しみから学校へ来れなくなっていた。
 三人の抜けた一年A組は合唱コンクールへの出場を辞退しようと言い出すが、菅村だけは意見に反対。
 生徒達は弘行の罪について話し合うと、ならば弘行の罪を軽くするための嘆願書を提出しようと案が出る。それを合唱祭にて訴え掛け署名を集めようと動き始めた。

 

 洋平の通夜が執り行われると、斎場には学蘭とセーラー服姿の参列ができた。
 堀北中学校の生徒の他に、洋平と同じ小学校に通っていた隣町の中学生も、洋平と最後の別れに来ている。
 裕太と亮治は御焼香を済ませると、額縁の中でニッコリと笑う洋平に別れの言葉を思い浮かべることができず、写真を見詰めていただけ。
 参列する人々を見れば、学蘭、学蘭、セーラー服、セーラー服、喪服を挟んでブレザーの制服と大人の数は少ない。
 ブレザーの制服を着た中学生達は涙を流しながら参列しているが、棺桶の中で眠る洋平が纏っている物と同じ学蘭と、セーラー服を着た堀北中学校の生徒は、大半の者が蝋人形のように無表情であり、ただ参列の流れに身を任せるように並んでいる。
 一年A組以外の生徒も来ているが、級友と以外は話すこともなく、部活動にも入っていなかった洋平だから、大半は洋平と話したこともない生徒達が学校行事にでも参加している感覚で来ているのだろう。
 考えて見れば妙な行列だ……と裕太は思った。並ぶと言う言葉から連想するのは待ち遠しさ等が思い付くが、きっとこの葬儀には感情の無い者もいれば、帰ったら何をするかなどを考えている者もいるのだろう。
 洋平と親しかった二人からすればやるせない気持ちになるが、心に振る雨は理性が邪魔をして、涙としては表れない。
 陽子が霰のような涙を流しながら寄って来ると、何と声掛けたらよいのか分からずに二人は涙顔から眼を逸らした。

 

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