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恋愛・ラブコメ

ひねくれ俺たちの青春シャウト 1

   

大学デビューで青春を謳歌したい、モテたいと願う澤崎玖炉。しかし、出ばなをくじかれて途方にくれていると、叫部という妙なサークルのポスターを発見する。

変わった人たちに囲まれながら成長していく澤崎と目も当てられない恋愛模様。拳を握りしめて、思わず叫び出したくなる、ひねくれ者たちの青春の物語――。

 

―1 差し込んできた光―

 イケメンとモテるやつって同義に思えて実はそうじゃないんだぜ? と俺の高校時代のイケメンな友人は言っていたが、なんでそれを俺に言ったのか、未だに意味がわからない。
 イケメンでもなく、モテるわけでもない俺にそれを言ったところで何の意味もないだろうに……。なんてことを考えているうちに、とうとう俺も高校という青春最後の船から降ろされてしまった。
 つまりは、大学生になってしまったというお話。
 いや、まあたしかに、就職するやつらに比べたら大学ってことはまだ学生だし、青春の続きみたいなもんだとポジティブに解釈することもできるけど。
 でもな、さすがにきついってもんだぜ。
 地元から離れたせいで、高校からの友達が全くいない現状のこの俺が、恋愛経験の全くないこの俺が――
 いきなり、大学なんていうリア充と非リア充くっきりと線引きされる世界に放り込まれるわけだから。
 とまあそんな具合で、俺の大学生活はスタートした。
 実家の神戸から新幹線で約3時間。俺はついにこの大都会、東京に君臨したのである。
 ものの20秒くらいで標準語をマスターした俺に死角はない。なんて感じで勢いだけは盛りに盛った状態で大学のキャンパスへと足を踏み入れたわけだが、まあアホ丸出しもいいとこだった。
 今日は入学式。俺だけが私服で来ていた。
 もちろん私服のまま入学式に出られるはずもなく、式が終わるまで、適当にその辺のベンチで虚しく時間を潰していた。
 そして入学後の最初のガイダンス。これももちろん、新入生は全員スーツ姿だ。
 やっぱり私服姿の俺は出られるはずもなく、教室の外でじっと耳を澄ませていた。重要事項は聞き漏らさないようにだ。
 そう、俺はけっこう真面目なのだ。
 真面目でありながら、かなりどんくさい。一番ダサいタイプなんだよなこれが。
「新入生ガイダンスってやっぱあれだよな……友達をつくる最初の場になるんだよな……」
 むなしくぼそりと呟いた。
 それを逃してしまった俺は幸先悪いで済まされるような事態ではない。これからどうすりゃいいってんだよ……。
 引っ越してきたばかりの新居に帰る最中、俺はずっとそんなことを考えていた。
 都会の喧騒も、サラリーマンの足音も、キャーキャー騒いでいる若者たちも、なんだか気に食わなくてむしゃくしゃする。
 最低のスタートだぜ……。

 

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