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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season16-13 END

   

 大地震が起きた。

 危機一髪だった。御影たちは負傷はない。が、アトラ率いる裏信者の者は全員が死亡した。

 まるで神の鉄槌をまともにその身で受けたようにだ。

 震災によって命拾いをするとは探偵たちも推理できなかった。あの氷室でさえ感知しなかったことだ。
 
 

 御影の底知れぬ度胸や覚悟、探偵としての素質のようなものをほかの探偵たちはほめていた。

 それは自分たちが抜かれていくようなイメージが頭の中で浮かんでいた。そこまでで、口を噤み多くは語らない。
 

 御影は氷室とふたりだけで話しをしていた。浅野会の今後のことや、御影は個人的に油原の死を嘆いていたが、それも運がわるかったこと。

 覚悟あってユダになった油原だった。

 壊滅した浅野会は百瀬が教祖となって細々と継続していくことになる。もはやフィクサーの存在はない。だが、神にすがる者はあとを絶たないのが人間の弱さだろう。

 御影と氷室の対話は、めずらしく神について語るのだった。

 そして自分たちが探偵であることをいまいちど再確認するように笑うのだった。
 
 
 
 

「第十六シリーズ完結」

 

 速報が流れた。

 2月25日16時58分頃地震がありました。震源地は関東東方沖で、震源の深さは約20km、地震の規模はマグニチュード6.5と推定されます。(北緯34.4度、東経141.7度)

 各地の震度は次の通りです。宮城県から静岡県までの大規模に震度を観測した。

 その中で台場は6.3の震度だった。縦揺れの激しく揺れる地震は余波はなく、一度だけの強烈な打撃を地上に落とされたような衝撃だった。

 まさに神の鉄槌、救済、これまで神を語った者の中に本当の意味でユダがいたことへの怒り。

 それを解消したように、浅野会裏信者たちは壊滅した。

「今回の地震は、神がアトラ教団の暴挙を許さんとして怒りのパンチだったように思えますな」コメンテーターが淡々と話していた。

「まさにそのように感じます。はっきりいってほとんど自然災害の被害がない。あったのは台場のテロリストを起こしたアトラ信者とでもいうのか、謀反を起こした明智光秀のようなちょっとした天下気取りに天罰を下した。そんなところでしょう」専門家が揶揄した。

 一斉にスタジオ内はどっと笑いに包まれた。

「しかも大池議員とのつながりもあったときく」

「ですが大池議員はほんとうにいま課せられている問題の回避ができないものか、預言してもらったということらしいです」

「ふん、それってOLが占いをしてもらうようなもんじゃないですか…」

「そうみたいですよ」

 さらにスタジオ内は大笑いに包まれた。

 大池がローマで仕出かしたスキャンダルは台場の番組スタッフによって大きく取り上げられるかもしれない。

 そうなったら大池は都議員としてそのポストを離れることになるだろう。

 

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