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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

推理からはじめよう 7

   

 堀部家の家族の絆を切り裂くような飛田の推理に、ついに亀裂が生じた。

 陶滋郎は何かを隠している。息子娘から問い詰められ、土門警部も詰め寄る。だが、口を割らないため、ついにあの人物が口を開いた。

 それは驚愕の真相だ。

 

 その異様な静けさに土門警部たちのほうが驚異を抱いた。

「父さん、どういうことだ?」迅がささやいた。

「なにかしってるの? 関わっているの?」かほこが問いつめる。

「あー」土門警部が咳払いしながら陶滋郎に近寄る。「どういうことかご説明いただこう。もしなにかご存知なのであればだが…」

 間が空いた。

「いいわ、わたしがいうから」七海が口を開いた。

「ほう、それはどういう意味での発言なのかな」土門警部がいった。

「探偵さんがいったとおり、おじいちゃんを殺したのはわたしよ」平然と言ってのける少女に、木田刑事も林村刑事も驚いた。

「ほんとうなのか?」迅はいった。

「そんな、なんで?」かほこは頬に手を添える。

「自分でいえますか? わたしがいったほうがいいのでは?」探偵はにこやかにいった。

「いいのよもう」七海はため息を吐いた。「ああ、ほんとやってらんね。いい子ちゃんを装うってつかれんな」口調がぶっきらぼう荒々しくなった。まるで不良娘だ。かほこの見た目よりも内面の不良さは恐怖でしかない。

 これほどまでに口調が荒い娘ではなかった。仮にもお嬢様として育てられていた。

 瑤子が孫に教育してきたように。

「知ってるのよわたし…、わたしがここの家の子じゃないって」七海はいった。

「なにをいうの、あなたは娘なのよ」母親の光子がいった。

 陶滋郎もうなずいていた。

「うそよ、いったでしょ。わたし知ってるって。あなたはわたしの母親じゃないし」七海は辛らつに吐いた。

 迅をみつめる。「あなたも兄さんじゃない」

 かほこをみつめる。「あなたも姉さんじゃない」

 瑤子をみつめる。「あなたもおばあちゃんじゃない」

 最後に陶滋郎をみつめる。「そして、父親じゃない」

「なんでだよ、そんなわけないだろ。思春期によくある自暴自棄な妄想か」迅がいった。

「そうじゃない。わたしの父親が憎かっただけ。ひどいことをしたひと。わたしのほんとうのお母さんにひどいことをしたのよ」七海はいった。

 堀部家の面々は顔を歪ませた。それぞれの想いで。

「わたしの父親は、これまで祖父と呼んでいた、源次郎なのよ」

 飛田は核心を得ていたかのように、うなずいた。

「ほんとうにか?」土門警部は飛田にささやく。

「そうですよ。これは紛れもなくね。源次郎は今現在15歳の娘がいる。それが眼前の七海だ」飛田が指さした。

「そのとおりよ。どうやって気づいたの?」

 

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