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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season17-1

   

 世界的にヒットしたクラシック音楽「MUROMATI」

 作曲家は日本人で佐脇という聴覚障害を抱えながらも、これほどの大曲を作り上げたことで称賛され話題に。

 唐突に記者会見が開かれた。そこには冴えない中年男性が現れた。

 MUROMATIに関することで重大な発表があるということでテレビ局、新聞各社が取材にきた。

「佐脇氏が作曲したという“MUROMATI”、本当の作曲は…わたし新藤 真通(しんどう まさみち)がしました」

 驚愕の訴えに、記者会見からとんでもない事態にまで発展してしまう。

 ついには音楽業界の裏事情まで見えてくる真相を、氷室探偵社も動くことになる。

 なぜか、小柴を中心に。

 

 MUROMATIというクラシック音楽が発売され、世界的にヒットした。

 WEB配信、クラシック音楽部門No1。

 総合音楽ランキングアルバム部門においてもNo1。

となった。

 作曲家は日本人だった。ここまで世界的に有名になったのには作曲家の耳が聴こえないという障害が売りになってもいた。

 現代のベートーヴェン。そのキャッチコピーだけで音楽業界は感心を引く作曲家が現れたと連日報道されていた。

 歴史感ある室町時代の背景やファッション、世界感に酔いしれるほどの壮大で訴えかける音楽を生み出したとして、世界的に認められた。

 作曲家、佐脇 晴樹(さわき はるき 42歳)。現代のベートーベンといわれ注目を浴びた。荒々しい黒い髪形。顎に髭を蓄えている。威圧感のある容姿は本物のベートーヴェンが憑りついているかのようだった。音楽の世界に没頭するために仮面をかぶるようにサングラスをかけている。大柄でごつい手指は、ピアノを弾く指ではないが繊細な音楽を生み出す。

 世界的にヒットしたMUROMATI。だが、その曲をめぐって唐突に記者会見が行われた。

 現れたのは白髪の禿げあがった頭。どんぐりのような目。頬はこけた骸骨のように、口ごもる話し方。質問をすればしっかりと聞き取り誠実な返答を返す聴覚。痩せ細った体形。

 MUROMATIについて記者会見があると聞いて佐脇が現れると思いきや、そうではないようだ。

 テレビ局、新聞各社の記者は度肝を抜かれた。記者たちは口をそろえていう。「誰だこの男は?」

 白髪の禿げあがった頭の男は口を開いた。「佐脇氏が作曲したという“MUROMATI”、このクラシック音楽ですが本当の作曲は…わたし新藤 真通(しんどう まさみち)がしました」

 某音楽大学のピアノ専攻講師、クラシック作曲の講師を掛け持っている。40歳のときに新藤は佐脇と出会ったという。

「本当ですか?」記者たちは驚愕した。

「はい」新藤は頷いた。

 カメラのフラッシュがマシンガンのように連射された。

 

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