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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season17-8

   

 御影は佐脇たちの控え室に乗り込んだ。そこで御影は推測という推理を述べていく。

 そして見えてくる佐脇夫妻の真の狙いと、印税管理部担当の平河と一宮医師、さらにその上にいる存在が垣間見えてくる。

 MUROMATIという楽曲がどのようにして生み出されたか、その真相が明らかに…。

 

 記者会見が終わり、世間を敵にまわしてしまった佐脇はこの記者会見は失敗だと悟った。

「くそっ! あの記者ども、はなから愚弄するつもりだったじゃないか、耳のことばかり言い腐りやがって」

 控室には奥さんとJ-Classic音楽事務所の担当と医師がいた。三人はちらっと視線を重ねた。

 冷ややかに見据える佐脇の妻、吉海江。まるで役立たずをどう処分するかのような目だ。

「なんだ、吉海江…その目は?」さすがに佐脇にもバレてしまった。

「いえ、あなたがあまりにも滑稽で…」手話を交えていった。

「おまえのためにしているのだぞ、その言いぐさはなんだ」

「なら大金を見せてよ、その約束だったでしょ」吉海江はソファにふんぞり返って夫を虐げるように見つめる。

「お二人ともそのくらいに」平河 薄志(ひらが はくし 33歳)。佐脇作曲家のJ-Classic音楽事務所の担当者である。

「このままだと結局は大金は入らないのでは?」一宮医師も不安を込めていた。

「いったいなんでこんなことに…」吉海江があきれるように言い放った。

「もとはといえば佐脇さんを裏切った新藤ですよ」平河がいった。「あのひとが妙な正義感出さなければ印税もまた入ってくるはずだった。取り分としてかなりのものですよ。佐脇さん…」

 佐脇の耳にはとどいていなかった。妻が手話で気づかせた。

「ああ、そうか…だがあいつはもう権利を放棄した。仕事も失い、いまじゃ音楽活動もできない…もはや石ころ同然な存在よ。どうでもよかろう」

「ですけど…」

 そこで扉をノックをする音が騒然とした控室を凍えさせた。

「だれかきたようだ」平河がいった。

 手話で吉海江が佐脇にしらせた。

「かまわない出ろ」佐脇がいった。

 平河がドアノブを握り開いた。

 

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