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不思議なオカルト研究部 第七話 廃屋の人形 前編

   

「これは、離れ座敷……か?」
 柳田が呟いた、次の瞬間――
 あっ――と、オカルト研究部員の皆が声を上げた。
 離れ座敷らしき建物だって、見れば駆けまわっていた母屋と同じように古びている。そんな場所に、人が居るとは到底思われない。なのに――

 

 梅雨が明ければ、肌を焼く日差しに解放感を求めたくなるのが世の学生と云うものだろうか――。
 しかしながら七月は、夏休みを前に前期最後の試験が迫っているのだからと、日差しも水しぶきも今は我慢して、図書館やファミレス、自分の部屋等々、皆思い思いの場所で勉強に勤しむ時期でもある。
 オカルト研究部の面々も部室に集えばフィールドワークか遊びの計画を立てるのが常だけれど、ここ最近は開けば教科書、書くのは怪談のレポートより暗記科目のノートなのであって、怪しげなサークルの割には真面目な一団と化していたところ。直也は石動に教えを乞い、石動は緑ヶ丘に教えを乞い、緑ヶ丘は柳田に教えを乞うあたり、この危機を皆で乗り越えようとの団結も伺えた。
 うんうん、大学生はこうでなければ――このサークルの部室を覗いた何某がいたならば、そう関心したことだろう。しかしだ――
 この大切な時期に、オカルト研究部は二日間勉強の手を止めることになる。とあるサークルから持ち込まれた案件に、部員の誰もが食指を伸ばしてしまったのだ――手を付けずには居られない程、この件は珍しく刺激的だったのだと、後に直也は思うことだろう。

 

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