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不思議なオカルト研究部 第七話 廃屋の人形 後編

   

「嫌なところを見せたな。すまん…」
 あの偏屈な部長が謝るところなど、誰が、どうして想像したものか。そこにあったいつも通りの無表情に、直也は何故か、切ないモノを感じ取った。
 そうか、この人はあの兄の弟なんだな、と。

 

     7

 六人は来た道を戻って柳田家の寺へ――境内に到着すると、事前に連絡を入れておいた柳田の兄が待っていた。
 名は柳田邦夫。紺色の作務衣に草履を履いて、綺麗に頭を丸めたその姿は如何にも僧侶らしい。
 しかし、境内の真ん中で腕組み、仁王立ちで、細い眉を厳しく吊り上げている。誰が見ても怒っているとしか思えなかった。
「すまんな、兄貴――」
 皆の先頭に立って声を掛けたのは身内の柳田邦彦である。次の瞬間――
 パンッ! と、激しい破裂音が境内に響いた。邦夫が邦彦の頬を力一杯張ったのだ。
 邦彦の眼鏡が石畳に落ちた。
 あまりに唐突な出来事に、そこにいる誰もが息を呑み――一拍の間を置いて邦夫の怒鳴り声を聞いた。
「何度言ったら分かる! 力の無い奴がっ! わざわざ自分から首を突っ込むなどロクな事にならんと! 俺は何度も忠告しているだろう!」
 叩かれた邦彦の左頬が赤く染まっている。が、彼は表情を変えず、静かに兄、邦夫に言った。
「ごめん。でも、そこの矢野君が人形で困っているんだ。助けてくれ」
 邦夫は邦彦が指差した先、矢野を厳しく睨み付けた。

 

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