幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区〜一章 覆面マネー(1)

   

急激な状況変化による「リストラ」を受けた清水と香西は、香西が経営している探偵事務所を拠点に、治安関係者の違法な協力も得ながら、犯人の正体を探ろうとしていた。
だが、そんな二人の前に突如として襲撃者が現れる。

 

 ―人口が加速度的に増大し、飽和状態になることを懸念した人類は、新たな開拓地を、陸上ではなく海上に求めた。あらゆる国家が兵器の代わりに人工島建設の技術を開発し、「特区」と呼ばれる領地を建設する中、大海と接する国々は、特区設置権を販売することで、巨額の富を得るようになっていく。
 特に、太平洋の一部を領海として所有しているいくつかの国は、特需に沸く一方で、自らも特区の建設を手がけ、労働力の効率的な獲得と、国際的な会議、連盟等での競争力をも有することに成功する。特区を名目的な自治領とすれば、票数を水増しすることができるからである。さて、特区が無数に設定されるに従って、特区間でもある種の格差が生まれるようになっていく。
 一般的には、数個のカテゴリーと、いくつかの特例の存在が認知されているが、原則的に特区に所属するということは、元来の国家や共同体における出世ルートから外れることを意味している現状があり、この点は、今後に対する課題と言え、特に覆面特区と呼ばれる、特別な地帯にいるものの状況は―
「まったく、相変わらずしょうがねえ文章だな。こっちの実情なんて、資料でしか知らないって白状しているようなもんだ」

 

-SF・ファンタジー・ホラー