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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season19-6

   

 氷室探偵社で会議をしたときのことだ。御影は政治家班の資料の中に写真があった。それには賄賂疑惑で世間を賑わしている小宮山議員が写っていた。しかし見るべきところはそこではない。

 周囲だ。周りにいる者だ。その中に警視庁に潜り込んでいるという清掃員の男がいた。

 御影はやっと思い出した。あとは金の出どころ、それがどこから調達しているのか。御影の頭痛がヒントに、水桐と大地が連携して答えを導きだした。

 まちがいない、表にだせない金がたしかにある。
 
 

 一方、小宮山議員は自宅前でマスコミに姿をみせた。無実で潔白であることを歓喜の声をあげるためだった。しかし、面倒をみている若い議員が犯人だったときいて、それはそれで嘆いていた。

 政治運営資金のためにといってどこからか調達していたのだ。それが中原だというのはゆるぎないというのだ。

 中原が追われている身でありながら、マスコミの前に堂々と姿を現す。怒りの形相で中原は小宮山をにらんで吠えた。

 その手にはギラつく刃が…、すべてを政治にかけてきた男の復讐の刃が恩師と慕っていた小宮山に裏切られたと思って牙をむいた…

 

 探偵社の401号室で今回のダブルチームを編成して行動するにあたり御影たちは警視庁へ行くことになったが…、そのときだ。政治家班の資料の写真には小宮山議員が写っていたが、その傍らにいるボディーガードらしきスーツを着込んだ男が、黒川刑事が応接室に飛びこんで入ってきたときみせた写真の清掃員の男と同一人物だったことだ。

「待って、そうなるとその男はいったいなにしに警察へ、やっぱり不穏な金が動いていることに関係があるっていうの?」水桐はいった。

「それはどうかな、政木警部が時間をかけて帳簿やら記録などを調べていけばみつかるかもしれない。でも、それも薄っぺらい偽証が貼りついて真実は隠れていそうだ」

「なら、この男はほかの用件で警察に入っているってことね」水桐はいった。

「わたしもそう思う…」大地がめずらしく賛同している。

「もしかしたらもっとでかいなにかが背景には蠢いているのかもしれない…、そして不穏な金の動きというのも活力となって消費されているのかも」御影は額を撫でながらいった。まだ残痛が走っている。

「それってつまり…」水桐は察した。冷静さはいかなるときも頭脳を正常にまわしている。「政木警部のいっていたところで引っかかっていたところがあるのよね。“警視正より上の誰かが抑圧した”っていうあれ、どう考えても裏金だし、表にだせない金があるから調べることを禁ずる。そういっているようなものでしょ」

「なるほどね」御影はうなずきながら関心した。「それで、たとえばどんな?」

「えっ…、そうね、えぇーと…、んー」

 水桐はそのさきは考えていないようだ。

「たとえば、どこかから押収した金」大地が小鳥のさえずりのように口ずさむ。

 御影と水桐は顔を見合わせ、同調するように声がそろった。

「それだ!」

 

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