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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区〜一章 覆面マネー(2)

   

清水たちを襲ってきた黒鳥会の変容ぶりが、総帥の黒田の口によって語られる。清水らの目と耳に入ってくる黒鳥会の変化は、驚愕に値するものだったが、それをもたらした「原因」の手口と力は、さらに大胆で現実離れしたものだった。

 

 人工的に造成された土地ならではの平板な道を、黒田の運転するバンはすいすいと進んでいく。「本土」では半分骨董品扱いのガソリン車だが、良く整備されていて、挙動は滑らかだ。何らかの荒事を済ませて、いざ現場から逃走という時に、エンストを起こしてしまうような事は許されないからだろう。
 清水の隣に座っている香西は、軽く眼を閉じて、時折来る揺れを楽しんでいるようだった。クラシックカーを愛好する趣味でもあるのかも知れない。
「おい、黒田。なんか道、違わないか? 確かお前らのアジトって、第四地区の中心のはずじゃあ」
 スモークの入ったガラス越しに見える、黒味がかった景色が、どんどん郊外に向かっていることに気付いた清水は、運転手に声を飛ばした。すると黒田はバックミラーに、感心したような笑みを映す。
「なに、別に諸君らを罠にはめるつもりはない。ちょっと場所が変わっただけでな」
 黒田がカーナビのモニターに指を置くと、短い電子音が鳴り、地図の上端に建物の表示が出てきた。ナビに記憶させた記録を指紋情報で呼び出しているのだ。「覆面特区」では最新鋭の技術の一つである。

 

-SF・ファンタジー・ホラー

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