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SF・ファンタジー・ホラー

DISCORD BRAKERS – 3 [ 2 ]

   

もう一人の自分は「イケメン騎士」で「魔法剣士」で「ハチミツ愛好家」!?

───イケメン騎士とその仲間たちと共に、音律魔法で「調律」された世界から飛び出した、三つの宝玉を回収せよ!
 

 割とイケメン、更に最強。でも救いようのないハチミツ愛好家…な能天気なキラのペースに引きずられつつ、異次元世界「ルーン王国」から流星となって表れた三つの宝玉を探すため、藤崎奏は「もう一人の自分」こと、キラ=ウォルダーと共に宝玉回収に動き出す。

 

合流した四人は、とりあえず元の姿に戻った二人が仕入れてきた情報を共有する。

「昨日確認した地図の中にもあったのだが、この街の外れに、風祭神社という場所がある。我らはそこへ行ってきた」
「風祭神社……伊織くん、知ってる?」
「ええ。そんなに大きな神社ではありませんが、割とこの街の中では有名な神社です。それに……」
伊織がそう言って、奏たちの顔を見回した。
「風祭神社は、土地こそ狭いですが由緒ある神社です。そこで、毎年『風祭』という名のお祭りがおこなわれています。そういえば、もうすぐですね」
「風祭……昔からこの街に住んでいるけれど、一回も参加したことなかったわ」
「僕らがいる地域とは少し離れていますからね。それにお祭りと言っても、ほぼ弓道のイベントがメインなので、本当に近所の人や弓道関係の人々が多いんですよ」
「弓道?」
「ええ。この街の中の唯一の弓道場がそこにあるんですが、中々指導が厳しいらしくて。でも大会なんかでもものすごく強いので、本当に志したい人はわざわざ遠方からも習いに来るらしいですよ。僕の知り合いもそこで弓をやっていまして、それで聞いたことがあるんです」
「知り合い? うちの高校のひと?」
「いいえ。高校は違いますが、ある武道関係の大会で知り合いになりまして。その世界ではかなり有名な人です。年は、奏先輩より一つ年上じゃないかな」
「へえ……」
「名前は、笠原英雄。えいゆう、と書いてヒイロと読むそうです。ご本人はそれを結構嫌がっていますが、でも弓を構える姿は英雄そのものです。男でも、惚れ惚れする程美しいんですよ」
――確かに、英雄と書いてヒイロだとからかわれたりしただろうし、今で言うキラキラネームの走りみたいなものだったのかもしれない。親を恨むわけにも行かないしなあ、と若干同情する部分もある。でも、成長した本人が、名前負けしていないようなスキルを手にしているのだとしたら、今となってはその名前もプラスになるのかもしれないな。奏はそんなことを思いつつ、
「……宝玉は、火・水・風に関わる何かにひきつけられて飛んだ可能性があるのよね。だとすると、風祭神社の風祭って、何か関係があるかもしれないわね」
奏のその分析に、皆も賛成のようだった。そして、とりあえず翌日の放課後に神社に向かうことにしてその日は解散したのだった。
 

翌日。予定通りに風祭神社に向かった一行は、とりあえず四手に分かれて神社内で宝玉を捜してみることにした。
神社自体の敷地は狭いのだが、そこに至るまでに森の小道があり、四手に分かれている。また神社の裏手の森は広大で、隣接しているが故にそちらにある可能性も無きにしも非ず。 三十分後にもう一度集合することにして、それぞれは神社の中を進む。
そんな中、奏は自分の担当となった東側の森の道へと進んでいく。

風にさわさわと揺れる木々の緑が、夕暮れの敷地にほのかに差し込む光を微妙に遮り暗くする。
たかが市街地の森。猛獣に出会うわけでもないが、一人で薄暗い場所を歩いているというのもあり、少しだけ緊張する奏である。
とりあえず、森への道は真っ直ぐに続いている。探してはみるけれど、待ち合わせ時間に戻れるくらいの範囲で引き返そう。それに、いきなり単独でいるところを狙われても困るし――例の魔法ステッキを入れたフルートケースを胸に抱えながら、奏はそんなことを考えていた。
 

――と。

 

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DISCORD BRAKERS - 3 第1話第2話
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