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SF・ファンタジー・ホラー

ロボット育児日記12

   

「警部の声を聞いて、少し安心しました。あの、うちに泥棒が入ったっぽいんですけど、どうすればいいですか?」
 ウサ子との新生活を楽しみに家に戻るも、長らく空けていた自宅は泥棒に荒らされて悲惨な状況だった。
 SFラブコメディ!!

 

「柏木警部、頼まれてた資料集めきりましたよ」
 部下の川田が、紙束を手にフロアに飛び込んできた。
「ああ、ありがとう。何か見つかったかしら?」
「なーんにも。あの事件に関係しそうなものは見つかりませんでしたね。あと、近日中に倒産とまでも行かなくても潰れかけたような幼児ロボットメーカーなんかも、なかったですね」
 柏木は、困った顔をした。
「そうっかー」
「困った顔も可愛らしいですね」
 川田は笑いながら、自分のデスクに座った。
「僕も思うんですけど、もうこの事件他に回しちゃったらどうです? そんな大きな被害があった訳でもないし、柏木警部にふさわしい事件は他にも日々起きてるんですよ。第一、今までそうしてきたじゃないですか。なんで、今回に限って、こんなにこだわるんです?」
 柏木は、タバコを取り出して口元に運んだ。
「あのねえ、事件に小さい、大きいもないの。それに、この事件気になることが多すぎるのよ。私が、やらなきゃいけない」
「それは、柏木警部の勘ですか?」
 柏木は、少しだけ間を置いた。
「そうね、そんな感じかな」
 ぼんやりと、柏木は川田の用意した資料を見つめた。無駄になったかもしれない、資料を。
 
 

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