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アストラジルド~亡国を継ぐ者~アグランド編 第22話「心と共に在れ」

   

プランジットへのエリザの想い――――。

「それでも、皆と出会ったことが間違いであったとは思いたくないんです…!」

『アストラジルド~亡国を継ぐ者~アグランド編』
【毎週更新】

新章 第22話「心と共に在れ」

 

 
「止めるだと? 国を捨てて逃げた王女が何を言う!」
「そうです、私は無力だ。心から望んでも何も叶わなかった。たった一人の兄と生きることすら許されなかった、情けない王女です」

 爪が食い込むほど、手を強く握り締める。

「……家族を失う辛さも、何も出来なかった空しさも、私は痛いほど知っています」

 男から目を逸らすことなく、私は思いの丈を話す。彼の目は憎しみに満ちていた。だが、その奥に見える感情には見覚えがある。――――まだ、戻れる証だ
 彼に矛先を向けていられず、私はとうとう剣を地面へ置いた。

「私に姫を名乗る資格はありません。あの王国はもうどこにもありはしない。けれど、まだ残っているものがある。民は今も生きています」
「…………」
「あなただって、生きているのよ」
「……俺は」
「誰も望んでいなくても、私はカーネット王国を取り戻すと誓った。だから、生きることを選んだのです」

 私の意思で生きることを選択し、戦う道を選んだ。ここまで来るのにたくさんのものを失いながら。

「あなたの言う通り、私はプランジットを守ることが出来ませんでした。私はッ……あなたの大切なものを奪った!!」
「姉……ちゃん……」

 そう確かな声で叫んだ私から、キールは目を逸らした。小さな体が涙を堪えて震えている。

 彼等を守る為の力が欲しかった。だが、あの時の私には逃げることしか出来なかった。王国兵達から住人達を守ることも出来ず、剣を取り戦うことさえ叶わない。無力で情けない妹を守る為に、ルイスは臣下に頼るしかなかったのだ。

「彼等が傷つけられる理由なんてないと、そうわかっていた……」

 私とルイスを生かす為――――そして臣下の役目を全うする為に、プランジットは犠牲となった。私達があの町に逃げてしまったばかりに、戦火に包まれたのだ。

 全て、あの城から始まった――――。絶望は止めどなく押し寄せて、全てを奪っていった。

「それでも、止められなかった」
 

 

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