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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

見習い探偵と呼ばないで! Season20-12

   

 政木警部らが六本木ヒルズに到着した。御影と対峙するスーツを着た男たちに囲まれている。

 危険な状況である場面だが、伯田警部補がスーツの男の中に顔見知りがいた。どうやら大物の部下にあることがわかった。

 警察内部の暗雲であるにもかかわらず、政治家との共闘というのが不穏でならなかった。

 政木は後部警視正に話しを聞いていたから余計にこの図式は嫌な予感でしかない。
 
 

 御影と火守は陽動作戦に利用された。政木警部はここで一網打尽にするつもりだったのだろう。しかし逃げられた。

 御影と火守は、田場から事の真相、目的を話し聞かされた。その事実に驚嘆して呆然となっていた。

“日本にとって最悪だ”と御影は吐露する。

 そして、政木の話も聞かされ、事実は想像をはるかに超えた事態であると震えた。

 

「警部、ヒルズの足元に探偵たちが」黒川刑事がいち早く気づいた。

 睨みあっている雲田たち探偵と、火守と御影、そして黒服のいかついスーツを着こんだ男が五名、まるで映画かドラマのバトルシーンのようだ。

「ほんとっ、男って野蛮ね」政木警部は呆れ返っていた。

「でも、諍いはあても手はだす雰囲気まではなっていないようですよ」伯田警部補が運転しながらちらちら様子を窺いみていた。

「とりあえず、見境いなしに確保」政木警部は黒川に命じた。

 黒川は無線でほかのパトカーに呼びかけた。

 パトカーのサイレンが青空の下、轟いた。

 政木警部と伯田警部補、黒川刑事が六本木のそびえたつヒルズビルの足元でほかのパンダカーが数十台とともに警官を引きつれ、抗争に入るまえのこれを抑制する。

「掛かった網の魚は稚魚のようね、あの二人を泳がせて一網打尽にしようと思ってたけど、裏切った探偵ごときじゃ、黒幕にとどきゃしない」政木警部はいささかご立腹だった。

「でも、あの黒服の男たち、どこかで…」黒川が見覚えあるようだ。

「だれ?」

「あれは田場という小宮山議員のボディーガードじゃないか」伯田警部補が以前に見かけたことがあり、意外な両者が対峙していることに驚いていた。

「小宮山が黒幕? でもなんのために雲田たちと」

「火守さんたちは偶然居合わせたって感じにみえますね」黒川は状況説明するも、政木たちにはわかっていた。

「図式はあとで考える」

 黒川は一つ返事をした。
 
 

 陽動作戦に使われたのは、御影と火守の二人だった。

「助かったが、逃げられた」御影は政木警部と警察の援護で窮地を逃れた。

「逃げられたじゃねーよ、逃がしてもらえたのは俺たちだ、あのまま力勝負では俺たちに勝機はなかった。妙な伏兵がいたもんだ」火守はがっくりと首が折れていた。

「だいじょうぶ? 火守探偵、御影くん」政木警部が近寄ってきた。二人の優れない顔を覗くようにしてい見ていた。

「ほかの警官に追わせましたがおそらく逃げられたかもしれません」黒川がいった。

「なにがあったの?」政木警部は二人に訊ねた。

「だが、情報は聞けた」火守はの目は黒ずんでいた。

 御影も唇を結んでいた。まるで情報は渡さないと拒むようにだ。

「あなたたち、私は味方、話すべきよ」

「わかってます」御影は戸惑った。

 火守が頭を掻いた。「どういえばいいのか…」

「あいつらは、なにを狙っているの? 裏切者の探偵と黒スーツの男たちはなに?」政木警部は訊ねた。

「危険だよ、あいつらの思想は…」火守は途絶える息を整えようとしている。

「あいつらの目的は、日本にとって最悪だ──」御影は政木警部に真剣な顔をむけていた。

 政木警部はあまりにもこの二人の顔が恐怖にとりつかれたようだったのを見て息をのみ呆然となった。

「話したことがある…、私が参事官と理事官の二人からきいたこと」

 政木が後部と日高の二人から伺ったことを御影と火守は黙ってきいていた。なにひとつ意見や反論はできなかった。

 その事実は、想像を絶する事態の幕開けとなってしまったのだ。

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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