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ノンジャンル

craze star

   

困った。マジで困った。

俺達NO FACE KNOWSのデビューが決まったのはいいんだけど、同時にドラムの翔太が辞めた。

バンドってのはパズルみたいなもので、しっくりくる音ってのに出会うのがなかなか大変で。
あいつ以上のドラマーなんて居るのか!?

困り果てた俺たちに救いの手を差し伸べたのは、いつも使ってるスタジオのオーナー・ユマちゃんだった・・・・

ロックバンドNO FACE KNOWS、デビューまでの軌跡。

*mellow timeの修平君所属バンドのデビュー話です。

※登場する団体、店舗、アーティスト名等は全て架空のものであり、実在する人物・団体等との関連は一切ありません。

 

 キラキラ、光って。真っ逆さまに堕ちていく。
―――craze star―――

「で、どうする?」
 どれくらい続いたかわからない沈黙を破ったのは、一応リーダーで(一応、ってのは最初に便宜上ってことで押し付けた役割がそのまんまきてるから。皆納得してるし本人もあれで責任感あるからきっとこのままだろう)ボーカリストの真哉だった。
 ここは、インディーズでちょっとは名前が知られ始めた頃から世話になってるスタジオで。
 俺たち四人の目の前には、聴き終わったデモテープの山。文字通り山以外の何物でもない集合体を眺めて、誰ともなく何度目かのため息をつく。
「どうすると言われても、一番こだわって話をややこしくしてるのは真哉君でしょう」
 キーボードの瀬名が神経質そうに、長い髪をかきあげながら表向き冷静に言った。・・・本当は俺たち誰一人、本当の意味で冷静な奴なんて居ないけど。
 NO FACE KNOWSのメジャーデビューが決まって、同時にドラムの翔太が辞めた。五人の中で唯一マトモに就職してる立派な社会人てやつで、俺は仕事が大事だ、これ以上は付き合えねぇよってあっさり脱退を決めた。

 

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