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SF・ファンタジー・ホラー

紅蓮の翼 2

   

この国の惣領、戒斉の招きを受け入れることにした。
今の鴬伽には休息が必要なのは事実であるから。

それにしても……。

この、戒斉という男。
飄々とはしているが、

質が悪い。

不定期に連載致します。

こちらにて初めての一般作品でございます。
こちらに関しては、
今後、一切の性描写も色恋沙汰もありませんので、あしからず。

 

 射杖は総本山の総括に与えられる名であり、戒斉は目の前にいる白衣の真名である。

「それとも幼名のほうがいいのか?」

 それは駆け引きともいえないただの言葉遊び。
 または知りえる情報の小出しの公開。
 目の前の3人の気配が一瞬にして冷え固まっていくさまを眺めて鴬伽は笑った。
 このくらいの報復は許されるはずだ。

「……君はどこまで知っているんだろうね。君のほうが性質が悪い」

 ふと息を吐き、白衣が笑った。
 どこか諦めを伴った吐息。

「人を懐柔して、あわよくば闇に葬ろうとしても無駄だぞ。お前らの統治力のなさはすでに明るみに出ているしな」

 大陸にあるこの砂漠地帯は主要道路のひとつであるが、それは言い換えればそのひとつにすぎない。
 治安の悪化はその道の退廃を意味する。
 治安が悪化すればその道を通るものが減り、そうすれば、流通は途絶え、その国は衰退する。
 国益が低下すれば、治安はますます悪くなる。
 その悪循環がついには国を滅ぼしかねない。

 ならば、たかがひとつの商隊に起きた災いなど、知られぬうちに葬ってしまえばいい。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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