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SF・ファンタジー・ホラー

雨の檻に囚われた夏 後編

   

真相が明らかになる。
※ネタバレになるのであらすじは控えさせていただきます。

 

◆◇◆◇◆

「依ちゃん、平気か?」
 夜中、明かりを消すことが出来ず日付が変わっても寝付けないでいると、窓の下から平祐くんが部屋の窓を見上げていた。
「平祐くんも眠れないの?」
「ああ、なんからしくねぇよな」
「上がってくる?」
「……あのな、もうガキじゃないんだ。夜中に男入れ込むなよ。話ならここで聞くから」
「男とか女とか意識したことないよ、私」
「おまえな……そういうこと、サラッと言うなよ。でも、今はそんな気分にもならねぇか。やっぱそっち行っていいか?」
 1階のリビングに向かい裏の勝手口を開けて平祐くんを招き入れる。
 そのまま2階の部屋に行こうとしたら、リビングで話そうと腕を掴まれる。
「劉さん、命に別状はないみたいだね、夜遅く、連絡があった」
 麦茶を持って平祐くんの前に置きながら話しかける。
「らしいな。けど当分入院は必要らしい。明日、行くだろう?」
「うん、そのつもり……夕方、警察にも寄るつもり」
「警察に? 呼ばれたのか?」
「ううん、私の意思で行くの。知りたいから……そっちは?」
「親が不在で良かったんだか悪かったんだか、俺はまだ伝えられてない。依ちゃんはよく話せたな」
「まさか! 私だって話せてないよ。伝えろって言われても私が理解できていないことを、どうやって伝えられるのよ」
「……だな。不可解な点が多いけど。死体を腐らせずに保管する方法とかネットで調べちまったよ、俺。出来るらしい。5年、生きていると信じたけど、心のどこかではもう駄目だと思ったのも事実。なぜ犯人は結花を殺して死体を保管したんだよ。意味わかんねぇよ」
 私が会った真人が兄の真人であったなら、兄は結花ちゃんが亡くなっているのを知っていたことになるし、死体を保管し続けていたことになる。
 でも、兄が結花ちゃんを殺したという見方はできない。
 殺したのは別の誰かということになる。
 でもあの洋館には3人の死体とひとりの生存者。
 結花ちゃんは5年前に既に死亡していることから、日の浅いふたりの死体、これを手にかけたのは劉さんという見方もできる。
 だけどふたりを殺す理由なんて劉さんにはない。
 劉さんの身に何があったのか、それは本人から聞けばわかることだけれど。
 不可解なことだらけだけど、5年前の行方不明事件も不可解なことばかり。
 不可解は不可解を呼び更に不可解へとしていく。
 結局朝まで殆ど進展のない話をした私たちは、そのまま劉さんのお見舞いに行く事にした。

 

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