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ノンジャンル

tripper!

   

気まずい。
そんな紗菜依を嘲笑うかのように、洸は飄々としたまま。

これは、恋なのか、それとも単なる憧憬なのか。

分からないまま2人は・・・・

※作者のクラシック知識は一般程度なので、おかしい点等あるかと思います。ご了承の上お読みください。

 

 翌朝。寝不足を抱えて登校した紗菜依は、不躾な隣席の男がまだ来ていない事に半ばほっとして、もう半分でがっかりしていた。
 昨日、あんな態度をとったのにどう接していいか分からなかったし、MDの感想を伝えたくもあった。矛盾した心の動きに、更に戸惑う。
 眠気も忘れて入口を見たりしているのに、結局彼はHRまでに現れなかった。
 それはそれで平和なのだけど。あれだけ緊張していた自分が馬鹿みたいに思えてくる。
 3限目、英語の授業を半ば眠りながら聞き流していた紗菜依は、授業も後半にさしかかった頃、不意に響いたドアの開く音にびくりと眼を覚ました。
「すんません。早朝ロケで遅れました」
「あー、はい。聞いてるから、とりあえず座って・・・・今日は出席でつけといてあげるから」
 ありがとうございます、と会釈をして紗菜依の方へ歩いてくるのは、紛れもなくあの男。
 自然と憮然とした表情になる。
「はよ、倉谷サン?」
「こんにちは、本庄君」
 これは嫌味だ。正確に受け取ったらしく、肩をすくめた洸はさっさと自分の机を紗菜依のそれとくっつけてしまう。
「今日も、教科書よろしく」
 憮然としながらも、大人しく教科書を半分ずつ共有するようなスペースに置いてやる。顔は見なかったが、僅かにほっとしたような雰囲気を感じた。
 それがまた癪に障って、ちらりとも視線をやることなく目を閉じる。

 

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