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ラブストーリー

犬が取り持つ恋もある 2

   

再びゴンと飼い主に会えた佐和子は、話をする中で、自分の家の近所に住む人物だと分かった。
そんな近くにいて、今迄気付かなかったなんてと、ゴンに謝った佐和子に、飼い主である伸樹が、たまにゴンを構いに来てくれと誘った。
佐和子は、嬉しそうに返事をし、そして伸樹への想いが、急激に胸に広がるのを感じていた。
そんな中、鎌田が佐和子に何かを伝えようとしてきて、心をかき乱される・・・。

 

 翌日、朝から雪が降っていて、ようやく根雪になるかと思う感じで降り続いていた。
 授業を終えると、直ぐに向かった玄関。靴を履き替えて、向かった先はあの公園だった。
 あの時間に散歩に来ているのだろうか。
 あの時間だから、彼は学生なのだろうか。
 そんな事を考えてから、ふと足の速度を緩めた。
 考えてみれば、今迄もあの時間にあの側を通っていたはずなのに、あの犬は一度も見た事はない。
 いつもあの時間ならば、前にも遭遇していていいはずなのだ。

「・・・たまたま、か」

 偶然、あの時間に散歩にきたんだと分かってしまうと、浮き足立っていた自分が何だか滑稽に思えた。
 またいつか会えればいいかと、直ぐに諦めをつけて、ガッカリしながらも公園に足を踏み入れた。
 今朝からの雪で、ベンチもすっかり雪が積もっている。その雪を掃い、腰を下ろしてぼんやりしていると、昨日の先輩を思い出してしまった。
 別れたなんて、随分早い別れだなと思う。確か、由梨菜は夏休みの頃には、まだ前のフリーターの彼氏と付き合っていたはずだ。
 夏休みを利用して、泊りがけで海に連れて行ってもらうと音楽室で話していたのだから。その時話していた名前は、前から聞いていた名前だった。
 だとすると、夏休みが終わって、付き合いだしたのだとしたら、本当に二、三ヶ月の付き合いになる。
 以前順子が言っていた話がばれたとか、そんな所だろうか。
 何にしても、別れたからといって、『妹みたいに思ってる』が、彼女に昇格など有り得ないと思った方がいい。
 順子が言うように、断る常套手段なのだから。もし、彼女に昇格させるような事を先輩が言ったなら、それはきっと嘘だ。
 はなから気持ちが無いのを傷つけない為に言った言葉は、ちゃんと自覚した方がいいのだ。
 タイプじゃないのは、仕方が無い。それはアタシも同じ。
 タイプじゃない人に好きだと言われて、彼氏がいないからとOK出す事は絶対にない。それと同じ事。
 そう思ってから、案外冷静なんだなぁと、呑気に思っていると、昨日聞こえた荒い息遣いが遠くから聞こえてきた。
 その瞬間、凄く嬉しくなっている自分がいて、直ぐにその姿を見詰めた。

 

-ラブストーリー


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