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SF・ファンタジー・ホラー

ロボット育児日記19

   

「篠山さんって、少し前に天才だって言われた篠山誠太って人に似てますね」
「ええ、よく言われますよ。でも、私の名前は篠山太一なんです。同じ篠山で顔も似てるなんて言われますけど、全く別人で。まあ、もし本人でしたらこんなとこでこんなことしてませんよねえ」

 SFラブコメディ!!

 

「柏木警部とは、どのようなご関係で?」
 篠山さんの問いかけに、俺ははっとした。
「ええ、ちょっとした事件に運悪く巻き込まれましてね。それで随分とお世話になったんですよ」
 リビングに入ると、篠山さんにはクッション型ソファに座って貰った。
「コーヒーで構いませんか」
「すみません、ご親切に」
 ふとウサ子に目配せすると、最近ずっとお気に入りの音と映像の出る絵本に夢中だった。
「可愛いお子さんですね」
「実は、その子が柏木警部とのご縁の要因だったりするんです」
 なんとなく俺は苦笑いをこぼしながら言った。
「そうですか。もし差し支えなければ、お聞かせくださいませんか?」
 何故、とも思ったが純粋に単なる好奇心だろう。少し躊躇ったが、篠山さんの不思議な雰囲気に呑まれ、同じ人間と言うこともあってつい話初めてしまった。
 ウサ子のこと、事件のこと、現在の生活など。篠山さんは、真剣な顔で時々相づちを打ちながら聞いてくれていた。
「そうですか、それはお気の毒でしたね」
「ええ、でもこの子と巡り会えたから、今ではこれで良かったと思います」
 篠山さんは、そうですか、と笑っていた。
 その後、人間メニューの揃っているファミレスや薬局など直ぐにでも必要になりそうな情報を教えてあげた。
 篠山さんは帰りにウサ子にまたねと笑いかけて、帰って行った。
「また、訪ねてもよろしいでしょうか?」
「はい、是非に」
「では」
 篠山さんが帰ってから、ふと思い出した。聞こうと思って自分の話を初めたせいですっかり忘れてしまっていたのだが、篠山さんはどうしてこんな不便な場所にわざわざ引っ越してきたのだろうか。仕事とかしてるのかな、賢そうな人だったけど。
 
 

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