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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

怪盗プラチナ仮面 9

   

「そもそも仮面とはいかなるものか。未開社会の祭儀で用いられた仮面、さらにギリシャの悲劇等で用いられた仮面は、それらを着用する者が、神秘的な力を帯びた何か特別の存在を、みずからの中に迎え入れることを目的としていた」

 

 

虎ノ門署・捜査本部

 

 吉井刑事は会議が始まる午後6時より10分早く、虎ノ門署のプラチナ事件捜査本部に駆け入った。松崎警部に怒鳴られてタクシーですっ飛んできたにもかかわらず、本部メンバーはまだ半分ほども集まっていなかったため、拍子抜けする思いで吉井は席に着いた。
 幹部が着席する正面の横長テーブルに、赤く「厳秘」と公印が押された角型2号の茶封筒が積み重ねてある。会議用の資料なのだろうと思った吉井は、一部取って自席に戻った。

 刑事部長や捜査三課長らお偉方が入ってきたのを横目に、吉井刑事は中からペーパーを取り出して目を通す。

 長方形の枠で囲んだ「過去300年にわたり仮面が継承されてきた件」という文字が、吉井の目に飛び込んできた。

 資料には、3日前にICPOのリヨン本部から送られてきた報告書の概要がまとめられていた。吉井刑事はいつになく興味を引かれて読み進めていった。

 報告書概要にはまずこう書かれていた。

 先進各国で犯行を重ねる「プラチナ仮面」という窃盗犯は、少なくとも300年前から存在している。なぜなら「プラチナ仮面」とは、仮面の着用を許された者によって受け継がれる「称号」であり、現在活動しているのは21代目のプラチナ仮面とみられる。以上のことは、加盟各国から提供された極秘資料を総合的に検討した結果、疑いの余地がないものとなった。

 へえ、すげえな、と吉井は思った。
 

(100年前にもプラチナ仮面を名乗る泥棒がいたって話は聞いたことがあったけど、実は「一子相伝」の怪盗ってわけかよ。かっけぇー! で当然、伝承者の座をめぐって血で血を洗う骨肉の争いとかあったりしたんだろうな。でないと話が始まらないもんな。それにしても21代目とは、正直すげえよ)
 

 

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