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ノンジャンル

tripper!

   

キス。
啄ばむように。溺れる。

「共犯の証?」

そんな風に言わないで。
これが恋じゃない保障なんて、何もないから。

狭間で揺れる想いが、交錯する――――

※作者のジャズ・クラシック知識は一般程度なので、おかしい点等あるかと思います。ご了承の上お読みください。

 

 触れて、触れて、何度も啄まれて。溶けて堕ちる錯覚。心地好い微睡みのような時間。
「・・・・コレは、どう受けとればいいの?」
「んー。ま、共犯の証?俺はサナのピアノに惚れてるし、サナは俺の曲が好きだろ。恋愛じゃなくても、両想いじゃん」
 優喜が聞けば激怒しそうな台詞だが、紗菜依はそれで納得してしまった。
 至近距離で見つめたまま、にこりと笑う。
「共犯者?・・・・いい響きかも」
 でも、と首を傾げる。悪戯を思い付いた子供のような瞳で。
「これが恋じゃないって、洸には言い切れる?恋愛感情じゃないなんて断言できるの?」
 だってこんなにドキドキして、幸せで。こういう気持ちを恋というのではないのかと、紗菜依は思うのだ。
 洸はほんの少し目を見張った。
「本気?それとこれとは別じゃねぇの」
「区別が必要?私は、いらない。・・・・変かな」
 思わず、洸は紗菜依を抱きしめた。
 彼にとってもそれは同じで。
 惚れたのは彼女の才能だが、思ってしまうのだ。それ以外の全ても欲しいと。昨日、透が言った通りに。
「俺は、すーげぇサナ欲しい。ピアノだけじゃなくて、全部」
 この気持ちを恋と言うのなら。
 溺れてみるのもいいかもしれない。
 2人は、再び唇を重ねた。先程よりも、深く激しく。

 

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