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ハートフル

モモヨ文具店 開店中<33> ~日付スタンプを使っての琉華の覚え書き~

   

 
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あたしのさいしょのきおくはおかんのかれしがおかんをなぐってたところからはじまってる。
あたしはご飯たべたたけどかれしにひっぱたかれた。
腹がたって足にかみついてやってたらぶんぶんふってあたしをほうりなげたけど血が出た。
ざまあみろ。
おかんはばかでどんどんかれしを作って、わかれてりいかをトイレで産んだ。
お金もなかった。りいかはあたしがご飯やったりしたけど生きてるのがふしぎなくらいだっておじさんにつれて行かれたい者に言われた。
あたしもいろいろおかしかった。
こまかいほねがおれてたり、どっかがわるかったりした。
あたしはいてもいなくてもぜんぜんかんけいなかった。
いてもいなくてもおとんにもおかんにもかれしにもかんけいなくて、とうめい人間で、大じにしてくれることなんてなかった。
あたしたちにはなんにもなかった。
大人ってしんようできねー。
なんにんも大人を見てきたあたしのこたえがそれだった。
大人ってしんようできねー。だったらじぶんでなんとかするしかねー。
だからタカアキおじさんがくれたものに、これしんようできる?って思ってた。
 

27,09,05
琉華記す

わたしの母親と戸籍上の父親、りいかの父親はわたしとりいか自身の告発でネグレクトと虐待の容疑で逮捕されていることを書いておく。〝親を探し出す程度〟の財力も得られた。今ではこの人たちが親であるという感覚はない。すでにわたしたちはおじさんとおばさんの養子になって姓も変わっている。
幼少期のわたしたちは極度の栄養失調であり、不衛生な状況に置かれていた。男の尻を追っかけて各地を放浪する母親はわたしたちの就学を妨げ、知的水準を著しく下げていた。小学校もろくに行けず、予防接種も受けていないわたしたちは、あのときたしかに不幸と言える立場にいたのだ。それを仕方がないとも諦めも持てずにいた。つねに死が身近だったのにそれを自覚できずにいた。客観性という客観性すべてが存在しなかった。それがふつうのことだったからだ。それを救ってくれたのがおじさんとおばさんだった。

 

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