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ノンジャンル

tripper!

   

KNOWSのスタジオに招かれた紗菜依。
その圧倒的な雰囲気に気圧されながら、洸に請われるままピアノを弾く。

だが、何かがおかしい。

不調をいぶかしむ彼女にKNOWSのキーボード・瀬名は・・・・

※作者の音楽知識が完璧とは言えませんので、矛盾点等多少ご了承ください。

 

 がんっと、脳髄を直接殴られたような気がして、紗菜依は眩暈を感じた。
 横殴りの嵐のような、あの、音の波。
 ナマの方が、断然破壊力は上だった。比べ物にならない。
 鳥肌が立つ。その部屋に入るには、勇気が必要だ。
 実際迷ったのは一瞬。紗菜依は促されるまま、洸の後に続いてそこに足を踏み入れた。
 とたんに、暴力的なまでに陶酔をもたらす音がぴたりと止む。
「はよっす」
「おぅ、洸」
 最初に反応を返したのは4弦のベースギターを抱えた、アシンメトリーに片側だけ髪を刈り上げるという奇妙な髪型の男だった。黒というよりは青に近い色に染められているのが、余計に鋭角な印象を与える。
 それが、笑うと悪戯っぽい、ガキ大将のような雰囲気を醸し出すのだ。
「お、洸。彼女か?」
「透さん・・・・っ!」
 洸が慌てたように声を荒げる。それは今までにないことで、紗菜依はほんの少し驚いた。
 なんとなく、洸はそういうのとは無縁な気がしていたのだ。
「トオル、彼女困ってるから。洸が連れてきたってことは紹介してくれるってことなんだから、ちょっと落ち着きなさい」
 そう、透の首根っこを掴んで引き戻したのはドラムセットから出てきた人だった。ついさっきまで力強いドラムの連打をこなしていたとは思えないほど細身の。

 

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