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なな★しき ~次元管理員 七尾と志紀子~ 第16章 秘かなる覚悟

   

まり子から示された地下への入り口から、志紀子のもとへ急ぐ七尾。

何とか無事に再会でききたものの。
「お父さんとお母さん……、殺されっ……て、た」
衝撃の真実を知って泣く志紀子を、七尾は抱きしめて受け止めてやるしかできない。

だが、刻々と迫りくる次元壁の核の事態急変は、志紀子に更なる覚悟を迫ることとなる。

 

「くそっ、まさか玄関が崩れて通れないとは」
(早く志紀子のところへ……!)
 学寮の裏手入口から建物内に入り込んだ七尾は、先の戦闘で瓦礫が散乱する通路を抜け、正面玄関の横に位置する寮母室へと向かっていた。
「……にしても」
 つい先日まで生徒たちで賑わっていた学寮は今や、吹き飛んだ窓ガラスの破片や崩れかけた壁に柱、床に落ちてしまった電灯に──
「おっと、寮母室。ここだ」
 崩れた天井に阻まれて見失うところだったのを、慌てて立ち止まる。その瓦礫を足で一蹴りすると、部屋のドアも一緒に外れてしまった。
「……。まあ、今さらか」
 念のため警戒しながら入室すると、シンプルな家財道具が置かれた部屋の中は、無残な崩れ具合だった。
 だが幸い、用のある中央周辺の床に破損などは見られず、歩き回りながら室内を見渡し──その時。
「!」
 自分の足音とその感触に、微かな変化のあった箇所を見つけたのである。
「ここか」

 ──管理機構から支給されている緊急用パスコードで開くはずです。

「コード……──」
 まり子の言葉に従い、一度しか使えないそのパスコードを呟く。すると、今まで何もなかった〝ただの床〟に、真四角な〝穴〟が音もなく開放されたのだ。
 それは、人ひとり通過できる程度の幅しかないものの。
(深い……!)
 覗き込んでみると、スピードが出過ぎないようにする工夫は見られつつも、緩やかな坂が延々と暗闇の向こうまで続いているのは確かだった。
(到達地点まで、いったいどれだけの距離があるんだ……)
 だがおそらくは、これが本当に地上と地下をつなぐ「最後の道」だ。
「よし」
 一刻も早く──七尾が躊躇なく飛び込むと、その床穴は直ちに封鎖され、使用不能となった。

 

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