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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】6

   

 御影と輪都は来週末に城里家に再び来訪するため調査を開始した。

 輪都はいやがっていた。次の訪問は断わられると思ったからだ。しかし御影は輪都に推論を話しきかせた。

 どうにも納得できずにいる。そこで御影は昨日の報告書をみせた。氷室の所感が記されていた。

 重要な助言のようだが、輪都の胸にはとどかなかった。御影は嘆くばかりだが、この一週間で探偵としてやるべきことが山ほどあることをいった。

 御影の疑問に付き合わされる輪都は、再び車を借りて群馬県にいた──。

 

 翌朝、御影は輪都に電話をいれた。来週末に再び城里家へ向かう。輪都からまた執事の古我に連絡をするように言った。

 輪都はいやがった。当然だ。迎えいれてくれる確率が低いからだ。アポイントをとっても、勝手に訪問したとしても、門前払いされ断わられるにきまっている。

「いいか、輪都…」

 御影は輪都に説明した。断ることができないだけの憶測。だが、それは脅しに近いものだった。

「いいんですか、そんな?」

「かまわない。脅しではなく、これは忠告だ。それを明らかにしないと困るのは本人であり執事さんもそうなる。働く場所を失うことになりかねない。いいか、輪都…俺たちは手紙の真相をたしかめるために伺うんだ。そこは強みにしろ」

 御影に言われた輪都は反論も異論もなく応じた。

「いたずらだとしてもあんな手紙を送りつけるのはおかしい。前金で依頼料は30万円も事務所に送られている。金は第三者が手をくだしたのかもしれないが、信憑性はある。だれが好きこのんでそんな不届きな手紙と依頼の送金をするものか、考えろ」

「なんか微妙な気もするけど…依頼料の30万円ってどうやって受け取ったの?」

「あぁ、現金書留で受け取ったってよ…もちろん宛名は“染野美幸”だった」

「バナナさんがいってたんすか…ふーん」興味なさそうに輪都はいった。

「たく、まぁいい。今日じゅうに読んでもらいたいものがある」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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