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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】8

   

 再び長野県へと車を走らせていたが、ラジオから速報が流れた。甲府市で刺殺事件があった。その犯人は不明だが行く手を追っているという。

 輪都は相変わらず車中でも変わらずにパソコンに目を落としている。

 御影はひとりで小トリップ気分で景色眺めながらラジオから流れる事件の情報をもとに推理をしながら暇つぶしを埋めていた。
 
 

 屋敷に着くとその日は城里家の内輪でパーティーが開催されていた。

 こんな話しは聞いておらず、なんらかの作為的な意図がふくまれているのが探偵としてすぐに察しがついた。

 執事の古我が、妙な詮索は慎むよう注意してきた。そのぶんパーティーを楽しんでかまわないときいて輪都は大好物のローストビーフにかぶりついていた。

 そこへご子息、ご令嬢の双子を紹介され…

 

 早朝から速報が流れた。

 山梨県甲府市で男性の刺殺体が発見されました。一人暮らしで市内の農家で働いているが、先日アパートに誰かが訪れていたかもしれないと隣の住人が、話し声が聞こえたといってました。警察は交友関係から事情をうかがいその人物を追っているとのことです。

 レンタカーの中では、助手席の輪都が相変わらず無愛想なまま黙々とパソコンを目をおとしていた。

 御影は耐えられずにラジオをかけることをおぼえた。東京や長野県だけではない。ほかの地域でも無惨な事件が起きていることを知って一人燃えあがる御影はやはり探偵だった。

 頭の中でその殺された男のことをしばらく考えていた。どんなふうにどんなことで、なぜ殺されたのか。訪問者がいた。そいつが犯人…。

 目的地の山奥へ向かうまで思考をめぐらせていた。暇つぶしにはちょうどいい問題だ。だが、答えはでなくても推理力をめぐらせるだけのいくつかのパターンを想像するには事前準備としていいかもしれない。もちろん、それ以外の答えがある。探偵としては想像を逸脱したほうが魅力ではある。

 前回と同じ経路を使って僻地へたどり着いた。七日間の空白の時間は、息を潜めるかのように同じ場所で待っていた。

 森林からとびでる屋敷の屋根の部分が視界にはいると、やはり違和感があってしかたがない。

 日本の山奥に西洋洋館がたたずんでいることがなじめない。

 こんかいは呼び鈴は不要だった。

 中庭に多くの高級そうな車が停まっている。

「なにかあるのか?」御影は覗くようにあたりをながめまわした。視界にとびこんできた異質な雰囲気。

「仕事関係のひとたちですかね?」

 屋敷からでている人たちの恰好をみて察することができた。男女ともに正装している。タキシードにスーツ、淑女はドレスだ。家族連れや男女のカップルがいる。この日は何かがあるようだ。

 午後14時を過ぎていた。途中寄り道をしていたから午後過ぎになってしまった。こんな事態は聞いていないと輪都は考えこむように言った。

 金持ちふうの連中を横目にとおりすぎ、玄関へと近寄ったときに聞き覚えのある声に呼び止められた。

 

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