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ミステリー

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】12

   

「いいじゃないか」京介が遮る。「もうここからは警察に任せればいい」

 美咲が同意するようにそっぽをむけて目線をあわせまいと必死に抵抗しているようだった。「そうよ、どの道、犯人が長柄さんなんだから、しかもふたりも殺して、おなじこの空間にいるだけいやけが差すのに…さっさと牢獄にいれてちょうだい」

 双子の男女が母の反発する声を横目でにらみつけていた。この二人は被害者であり、かつては誘拐された幼児。死ぬほど心配していた母にむける敵意ある目ではない。

「やっぱり、そういうことか…」御影はぼそっとひとり言をいった。

 ぎすぎすした空気にうなずく輪都がいった。「まぁ、たしかにむりにいま聞かなくても、面会しにいってじっくり聞けばおなじでしょ」

 御影もそれはセオリーだと考えている。

「普通は、そうするだろう」

 京介は探偵を一瞥した。「ならそうしろ!」すでに上司が部下に命令するような口調に変わっていた。

 御影は黙って、何かを考えているようだった。探偵は状況の把握と個人の行動の整理をするため刑事のように事情聴取をとったが、本物の警察がきたために御影の鮮烈な殺人事件デビューは儚くも閉ざされた。

「長柄さん、ひとついいですか」御影はここで引くわけにはいかない。後悔はもうしたくはない。「氷室探偵事務所に手紙を送ったのは、あなたですか」

 京介と美咲は顔を見合わせ長柄に視線をむけた。

 いたずらだろうと城里家は気にかけていなかったが、それも古我につながるなにかがあるというのか。

 双子の兄妹はこそこそと話しをしていた。

 御影は双子に視界にいれていた。妙に反応をしている双子にちいさな疑念の種が植わったが、長柄が腰をあげて遠くをみつめながら口もとがやさしく和らいだのをみて、意識を切り替えた。

「はい──」

 正直にそう答えるだろうと信じていた。

 

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