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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】14

   2017年11月15日  

 身代金を奪った誘拐犯だが、多くの犯罪を犯して得た金だったがそれぞれ手にしたかった。

 リーダーの別荘がアジトだったが、すぐにその場所を特定され警察が包囲していた。

 逃走ルートは確保し、用意周到な作戦はすべて犯人Aによるものだった。犯人Cはどうしても金が必要だった。絶対に捕まるわけにはいかない。

 三人は逃亡した。

 崖に追い詰められた犯人たちは抵抗しようとするも先手を打たれ、それぞれの終末が。
 
 

 だが、それはなんら解決をみせない事件だった。

 

 身代金を得てから翌日のことだった。

 犯人の棲息するアジトがわかった。犯人Bの車と別荘代わりの自宅だった。一斉突入を狙った警察、だが頭脳の効くのが犯人Aがいる。今回の誘拐事件のすべてのシナリオを書いて指示していたのはAだ。

 警察がきても、すでに逃走ルートを確保していた。予測していた。誤算は思ったりより早かったということだけだった。こうも早く足取りをたどられるとはおもっていなかった。
 犯人Aは侮っていた。二億円の取り分を考えていた。それぞれの働き分として取り分をわけることを言い出した。

 これにメンバーはもめた。

 とりあえず、それぞれがなにをしたか、危険度はどうだったか、ということを言い出した。なぜか時間を延ばすようなことを言い始めている犯人Aに、BとCは疑惑を抱いていたが取り分の金はだいじだった。きっちり話し合うべきだった。

 特にCは金が必要だった。

 そこへ警官隊に包囲された。拡声器から聞こえる声に気づいた。

「犯人に告ぐ、幼児誘拐、身代金強奪の罪で逮捕する。すみやかなに出て来い、さもなければ突入する。命の保障はしないぞ──」

 警官隊、機動隊、突入してくる体勢はできているようだ。

 しかし、犯人は鼻で笑っていた。

「逃走ルートはできてる」

 別荘の下に地下通路を掘っていた。100メートル離れたところまで通じる通路だ。すぐ脇に逃走用の乗用車を待機させていた。それに乗り込み発進させた。あっさりと逃走に成功した。

「楽勝」と犯人たちは金の取り分について諍いをしていたが、車中では大笑いしていた。

 警察の作戦のほうが上回っていたことを三人は意気揚揚と逃げていたから知る由もない。逃走の後ろ姿を見られ追ってくる。

 逃げても道路をパトカーで待ち伏せしていた。それをすり抜けても次はバイク隊の追走だ。そして、再びパトカーに囲まれる。機動隊も重なって狙撃隊が待機していた。

 黒い服の背中には黄色い文字で「SAT」と描かれていた。

 上空はヘリコプターが数機飛んでいた。広範囲で包囲されていたことに気づかなかった。ぜったいに逮捕するという警察の戦略に負けた犯人グループ。犯人Aのうえをゆく作戦参謀が警察側にいたようだ。

 平地をあきらめ車を捨てる。山肌を駆け上がり、自動車の車幅を阻むほどの入り組んだ森林なら逃げきれると考えた。人の足でなければ森林の隙間をすり抜けるのはむり。それを計算しての逃走だ。

 山を抜ければ、別のところに自動車をもう一台を隠してある。いろいろと自動車を乗り換えるつもりでいたから待機してある車の場所まで走るしかないがそれは苦ではない。それだけの大金をせしめたのだから、これを乗り切れればバカンスの旅をできる映像が目のまえをよぎる。

 警察の一人が気づいた。犯人の一人しかバッグを持っていない。あのバッグのサイズでは二億円は入りきらない。一億円分しかないだろう。
 無線で警部に連絡が入る。別荘のなかに残されたバッグのなかには一億円分の金が発見されたと報告をうけた。

「ふ、どうやら逃げるのに夢中で忘れたようだな」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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