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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】16

   

 双子に頼んで地下室へ入ることになった。鍵を美姫が持っていた。異質な形状の鍵だがどうやらよっぽど開けられては困るようだ。

 8畳ほどの地下室におりた。すると眼にとびこんできたのは衝撃的すぎた。

 棺。その存在に御影と輪都は圧倒されていた。

 それも増してこの地下室の異様な雰囲気に御影は憔悴しはじめていた。

“罪人の秘密の部屋”。

 なぜか双子はあっさりと秘密を開いてくれた。その意図がなんなのかわからないが意味がある。

 輪都は部屋の角にあるボストンバッグを開いた。

 それをみた御影はすべてが繋がったようにひらめいた。
 
 

 そして、嘆きの双子とは…

 

 ポケットから取り出したのはキーホルダーだった。家の鍵と自室の鍵、そしてほかにも上京先の鍵がぶらさがっていた。その中でも異質な形状の鍵をつまんだ。

「それがこの地下へおりる鍵ですね」

「そうです。壁には鍵穴はありません。この仕切られている柱のところの一部を開けることができます」

 美姫がそういいながら仕切られた柱の床から1メートルくらいの高さで上下10センチほどの切り込みがあり、それを両端を親指と人指し指に中指を使ってパカッと開いた。そして鍵穴が現れた。

「そんな細工をしていたのか。たしか京介さんはこの屋敷は様々な細工をして妙な部屋の空間を設計したとホームページの自身のコメントを載せていたと思います」輪都はそそくさとノートパソコンを開きながらキーボードをいじって京介のプロフィールページを開こうとしている。

「そうですよ。細かいところまで気がつくことだ」陽太は関心していた。

 美姫が鍵穴に異様な形状の鍵を差すとガヂャっと重々しい音が鳴って壁が奥へと開いた。

 手のひらで押すとまるで大蛇が口を開いたような闇が闖入者を呑みこもうとしている。

 固唾をのみ、躊躇うように佇む人間。竦む足は実感がないほど震えていた。

 御影すら臆していた。異様な雰囲気にのまれている。ここはよくない。ただそれだけの危機察知能力が感知した。

「なんだこの気配は…」

「ええ、ここは亡者が棲みつく墓場、イメージでいいましたけど──」輪都の直感のようなものは、御影も同感だった。

「でも、ここをおりないとわからない。行くぞ」

 輪都は眉の端が折れた。

「だいじょうぶですよ。ここは害はないですから、ただ──」美姫は変なところで言葉をとめないでほしい。そのまま先頭を歩き地下室へとおりていった。

「下はちょっと暗いだけです」

 そういう問題ではないのだが。すると時間差で光がパッと点いた。天井から真下に照らす電灯が点いた。壁が開いたところにも電灯がついていた。足元がこれで確認しながら地下へとおりていくことができる。

 どうやら御影が昨夜もれていた灯りというのはこれだと推察した。

 御影が察知した気配はそういう不安ではない。ここにある気配はまったくの別物だ。

 これまでに感じたことのない恐怖。まるで霊的ななにか。霊感なんて微塵もないが探偵としての直感が感じとっているだけだ。

 凍てつく恐怖は御影の精神をすり鉢でこすられ削られているようだった。

 

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