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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】17

   

 休んでいた京介と美咲がおりてきた。客間にむかう途中に“罪人の秘密の部屋”の扉が開いていて驚愕した。

 愕然とするなか、二人の前に現れた男女の来訪者が声をかけた。

 その男は臆することなく地下へおりていった。京介たちも後につづくがこの男が来たとなれば京介は追い込まれる。

 秘密の部屋の秘密が暴かれるからだ。
 
 

 階段をおりてくる足音に御影たちは意識をむけた。

 姿を現したが顔だけがみえない。しかし、その声は御影をよぶ。その瞬間御影は啓示をうけたようにほっとした。

 その人のまえで御影は自分の推理を披露する。

 

 休んでいた京介と美咲が二階の寝室からおりてきた。小一時間は経過しただろうか。疲労感は緩和されたようにすっきりした二人は階下へおりてきた。

 客間にむかう途中、ある通路の異変に気づいた。

「あそこは地下室の、なぜ扉が開いているんだ──」京介はおののいていた。

「あなた、どういうこと…」美咲が不安をまた溜め込んでしまう。

「いや、だれが…いったい」踏み込もうとする京介のつま先がまえにでない。

「あなた!」美咲の切り裂くような声が京介を追い込む。「ここは開けてはならない部屋への扉、どうするの…、警察かしらそれとも探偵たち──」

 美咲のぼやくような声に反応した京介ははっとし、広い屋敷があだとなっているが、ここまで好き勝手に侵入してきた害虫を野放しにはできず弱まった心を奮い立たせた。

 わずかな時間でなにかしろの変化が起きてしまったことに畏れはじめていた。

「そうか、探偵だったらいいが口をふさぐだけのこと。警察だったら…、そのときはおしまいだな──」やはり力なく笑っていた。身体が震えているのを妻は横で京介の腕にがっしりとつかまっていたから気づいた。

「気をしっかりして…あなたがそんなんじゃこれまで護ってきたものがすべて台無しよ」

「わかっている、だが…」奥歯を噛みしめる京介は地下への開かれた地下への階段をのぞいていた。

 だれがいるのか、その人物に臆しているだけだ。

 時間が止まったように地下への開かれた入り口の前で佇んだままだった。

「よろしいかな」聞きなれない男の声が二人を驚かせた。

「あなたは…」京介はくちをあんぐりと開けて息をのんでいた。

 美咲は両手でくちもとをおさえ、声まで失われたように黙っていた。

 男は、闇への降り口を一周するように見て、脅えることなく階下をおりていった。

 連れの女が眼鏡の端を手のひらでくいっとあげる動作して、主と妃に一礼し無言のまま男のあとをついていった。

「あのひとは…」京介は愕然と強張った顔の頬が小刻みに震えていた。

「とりあえず私たちも…」美咲がそういうと京介はその手を握りしめて一段一段足の裏でたしかめるようにおりていった。

 

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